ネット広告へのシフトが始まっているとは言え、今も圧倒的なウエイトを占めるのがテレビCMだ。企業のマーケティング活動自体がデジタルシフトする中で、先進企業では予算の多くを占めるテレビCM活用における変革が始まっている。
デジタル、データを活用し テレビの広告効果を高める
デジタルが企業のマーケティング活動の基盤となりつつある昨今。オフラインの施策においても、デジタルを絡めた効果・分析を志向する企業が増えてきた。それに伴い、オフライン施策の予算の大半を占める、テレビCMに対する評価の視座も変わりつつある。
5月23日、独自調査したデータを基にテレビ視聴データ分析サービスを提供する、スイッチ・メディア・ラボはテレビCMを効果的に活用している企業による事例紹介を交え、効果的・最適なテレビのマーケティング活用のあり方について考えるセミナーを開催した。
セミナーは3部構成で実施。第1部には「ライオンの宣伝戦略とデータ分析」をテーマにライオン 宣伝部長の小和田みどり氏が登壇した。小和田氏は「現代の消費者は様々な手段で、断続的・横断的に接触しているため、デジタル・非デジタルの区別なく全体を俯瞰したコミュニケーション戦略が必要」とし、統合的なコミュニケーション戦略を策定した上で、使用する各メディアの特性に合わせたKPIを設定し、効果検証を行う同社の取り組みを紹介した。
さらにライオンではテレビCMの効果検証についても、デジタル活用に取り組んでいる。「マーケティング戦略がより緻密になる中で、従来の視聴率やGRPに代わる、新しいデータ活用を模索している」と言い、テレビCM出稿時や直後のデジタル上での検索、サイト訪問を始めとしたユーザー行動の分析、アイトラッキングを活用した視聴行動分析データなどの活用ケースを紹介した。
