独自のアルゴリズムで、興味を持つ可能性の高い潜在顧客一人ひとりにパーソナライズされたコンテンツをレコメンドするサービスを提供している「Outbrain(アウトブレイン)」。世界中で多くのパブリッシャーに導入され、今や150カ国以上で5億人以上のユーザーが利用している。アウトブレイン社が去る7月13日、「アウトブレイン パブリッシャーサミット2017」を東京都内で開催。ニューバランス ジャパン、ライフネット生命保険、LIXILの3社が登壇し、「ブランドが今パブリッシャーに求めるものとは」と題したパネルディスカッションを行った。
分散化・時代におけるブランド戦略
創業111年の歴史を持つニューバランス、2008年に創業したライフネット生命保険、2011年にトステム・INAX・新日軽・サンウエーブ・TOEXなどが合併して生まれたLIXILと、背景や商材の異なる3社は、どのようなブランド戦略を展開しているのか。パブリッシャーとの取り組みを紹介してもらう前に、その根底にある考えから聞いた。
ライフネット生命保険の岩田慎一氏は、「保険は信頼ビジネス。まずは創業者である出口治明と、社長の岩瀬大輔の考えやパーソナリティを知ってもらうことで当社に興味を持ってもらい、その2人の会社の商品だったら信頼できるし、人に推奨しようと思ってもらえるように戦略を立てた」と話す。そこで同社では経営陣が率先してSNSで情報発信したほか、書籍出版、セミナー開催、社員によるブログなどを展開していった。
一方で、ニューバランス ジャパンの鈴木健氏は、「歴史や実績がある分、それぞれの消費者のなかにすでにブランドが確立しているため、どこを当社として主張していくのか決めることが難しい。社会の変化に合わせて新しい動向ばかり見てしまいがちだが、ここ数年は原点回帰し、歴史を振り返りながら“ニューバランスらしさ”を再確認している」と語った。

