動画配信アプリ 収益国内No.1、仮想ライブ空間「SHOWROOM」の成長戦略

米アプリ調査会社アップアニーが2017年9月に発表した、日本国内の動画配信アプリの収益性ランキング。2017年1月から6月の上半期で1位に輝いたのは、DeNAグループの「SHOWROOM」。2位以下には、ネットフリックスやニコニコ動画が並ぶ。

「SHOWROOM」とは、仮想ライブ空間の中で、無料で誰でもライブ配信と視聴ができるライブ配信プラットフォーム。地上波テレビの出演やファッション誌でのモデルデビューなど、様々なイベントが常に開催されており、夢を叶えたい人と、それを応援したい人が集まっている。”世にある機会格差を無くす”といった想いから始まった、新しいエンターテイメントの形を生み出していくサービス。

同社 代表である前田裕二氏は、DeNAの南場智子社長が5年かけてくどいた人物とされ、秋元康氏をして「堀江貴文以来の天才」と言わしめた逸材。若者を熱狂させている「SHOWROOM」の成長戦略から、快進撃を可能にした組織づくりまで、創業時から前田社長とパートナーを組んできた、同社CTO(最高技術責任者)の佐々木康伸氏に聞いた。

SHOWROOM CTO(最高技術責任者) 佐々木康伸氏

努力がフェアに報われる世界をつくりたい

—「SHOWROOM」の盛り上がりがすごいと聞きます。まずは、どのような成り立ちで生まれた会社なのでしょうか。

私たちSHOWROOMは、DeNAの新規事業として生まれた会社です。社長の前田と私が同じタイミングで新規事業部に在籍していたのですが、前田が上層部に「東京の東側っぽい人間と組みたい」というオーダーをしたようで、生まれが東京・葛飾区だった僕が選ばれました。下町エリア出身の“どろくさい人間”が欲しかったようです(笑)。

二人ともバンド活動をしていたこともあって、まずはエンターテインメント業界を変える仕事をしたいという話になりました。IT業界と違って、エンターテインメント業界は演者さんが頑張った分だけ、正当に認められる仕組みがまだ整っていません。そこで、「みんなの努力がフェアに報われる世界をつくること」をミッションに掲げました。

当時、前田と注目したのは中国で流行していた「ライブ配信×ギフティング(応援のコメントや換金可能なポイント)」のビジネスモデル。この方法なら、演者さんの努力が報われるのではないかと、チャレンジしたのです。

—その想いから、ユーザーが応援するためにギフティングというモデルが生まれたのですね。

そうですね。ユーザーは、花束や東京タワーの形をした有料アイテムを購入して、演者さんを応援することができます。また、その応援に対して、演者さんがお礼のコメントを寄せることもあります。演者さんの努力が、しっかりと評価されるモデルになっているのです。

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