報道記事のクリッピング作業において、著作権への配慮は欠かせない。情報共有は素早くアグレッシブに、ただし著作権はしっかり守る。そんなサービスを提供するのがエレクトロニック・ライブラリー(ELNET)だ。
「組織内のイントラネットに自社の製品に関する新聞記事を無断で転載したところ、著作権侵害と発覚……」。SNSでの「シェア」が当たり前になった今、記事や写真などの著作物まで軽い気持ちで転載してしまうケースが増えている。日本新聞協会でも1997年の著作権法改正に合わせて「リンクや引用の場合も含めインターネットやLANの上での利用を希望されるときは、まず、発信元の新聞・通信社に連絡、ご相談をしていただくよう、お願いします」と声明を発表しており、注意が必要だ。
記事を安全に活用するには?
冒頭で述べたケースでは、全国から約7000回の接続・閲覧が行われ、公衆送信権の侵害として約40万円の損害賠償命令が下された事例がある。
では、安全に記事を活用するためにはどのようなポイントに気を付けたらよいのだろうか。最も重要なのは、記事の著作権を持つ新聞社などに対する使用許諾申請。各社のフォーマットに従って申請し許可を得る必要があるため、手間やコストの面で負担を感じる場合もあるだろう。
企業向けに著作権処理済みのクリッピングサービスを提供しているエレクトロニック・ライブラリー(ELNET)の山下敏永副社長は「コンプライアンスが重要視される近年、安全なクリッピングの需要が高まってきています」と話す。