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学研イノベーション、「教育」でサステナブルな社会を実現

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学研イノベーション『ソトイコ!』

2018年4月に「SDGs・ESG支援推進室」を立ち上げた学研イノベーション。新しい学習指導要領のテーマ「社会に開かれた教育」を踏まえて、企業と教育現場をつなぎ、サステナブルな社会の実現を目指している。
SDGsの4番目のゴールに「質の高い教育をみんなに」という項目があるように、サステナブルな社会の実現には、次世代の子どもたちの教育が欠かせない。これまで企業との接点が薄かった教育現場だが、近年は両者の距離が近づいてきている。

社会との連携・協働が課題に

『ソトイコ!』10号(2018年春号)では、マクセルと協働し、自動車の安全性を支える部品を題材にして自動車産業について解説した。

文部科学省が2017年3月に告示した新学習指導要領のテーマの一つに「社会に開かれた教育課程の実現」がある。

学習方法としては、主体的・対話的な授業で深い学びにつなげる「アクティブ・ラーニング」が重視され、その中で「実社会で働く人との対話」も明記されている。つまり、教育における企業の役割も重要になってきているのである。

それでは、企業は「教育」にどのようにコミットしていけるのだろうか。小学生向けのフリーマガジン『ソトイコ!』を発刊する学研イノベーション代表取締役社長の中村基孝氏は「新学習指導要領は、子どもたちに“世の中の課題を解決できる人になる” という考え方や次の時代に必要となる“社会を生き抜く力” の習得が狙いの一つ」と話す。「そのため、企業は自社の商品やサービスが世の中にどう役立っているのかを子どもたちに伝えていく必要があるのです」。

出前授業で社会との接点を

国公立小学校2100校、72万人の小学生とその保護者に年4回配布し、情報を届けている『ソトイコ!』。子どもの心と身体の成長をサポートし、家庭が抱える課題の解決に役立つ記事を掲載している。読者の反響も大きく、保護者からは各号5000件以上のアンケート回答が寄せられる。

誌面には、子どもたちと社会の接点をつくるため、企業や商品・サービスを切り口とした記事も盛り込んでいる。特に力を入れているのが「ソトイコ!社会科見学」。企業が実際に地域の小学校に出前授業をして、その様子を誌面化するタイアップ企画だ。

学研イノベーション 代表取締役社長
中村 基孝氏(なかむら・もとたか)

1988年リクルートに入社。数々の新規事業開発プロジェクト、マーケティングのマネジャーを歴任。2012年、学研ホールディングス入社。経営戦略室副室長、マーケティング戦略室室長を経て、2015年に学研イノベーションを設立、代表取締役社長に就任。

中村氏は「“学校と社会との連携・協働を図る” という方針を実現していくためには、先生たちの負担軽減や、授業として取り入れやすい内容にするなど、学校現場と一緒に進めていくことが肝要」と語る。『ソトイコ!』の強みを活かせればこの課題を解決できる、という思いで出前授業を始めた。

中村氏によると、様々な小学校にヒアリングをした結果「企業の方に来てほしい気持ちはあるが、検討や様々な調整が難しい」という声が多かったため、教科単元の中の授業の一つを出前授業で置き換えられるよう工夫した。

授業時間は45分間。企業側の要望も聞きながらカリキュラムに合わせて内容を調整し、雑誌や学習参考書づくりのノウハウを活かして子どもたちが理解しやすいような教材も作成している。

さらに、この授業を誌面上で展開したり、映像化したりすることで、全国の小学生に対しても「社会における企業の役割」について広く伝えていくことができる。もちろん、その保護者もターゲット。中村氏は「出前授業は企業のステークホルダーとなり得る層に対しての認知やブランド力向上といった効果を見込んで、CSV、SDGs、ESGといった文脈の中で取り組みを検討する企業が多い」と話す。

同社は2018年4月に「SDGs・ESG支援推進室」を立ち上げた。「2018年はSDGs実装元年。SDGsを取り入れた経営計画を立てる企業も増えてきました。企業が目標を達成するとともに、教育現場の課題も解決できる、そんなサービスを提供していきたいです」。


〈取材協力〉

取締役 次世代事業統括本部 本部長
吉田裕一氏

 

SDGs・ESG支援推進室 副室長『ソトイコ!』副編集長
宮田昭子氏

 

新生マクセルのリブランディング出前授業で若年層認知率の回復へ

マクセルは、『ソトイコ!』との次世代育成への取り組みとして、川崎市立有馬小学校の5年生の児童に出前授業を行った。同社ブランド戦略統括本部企画部 部長の平健介氏によると、出前授業の目的はブランド力の強化。2017年に日立グループから独立し、「新生マクセル」としてのリブランディングが喫緊の課題となっていたのだ。

マクセルは、カセットテープ全盛期の1980~90年代にはテレビCMや店頭を通じて生活者と接点を持つことが多かったが、BtoB事業を中心とし、独自性が発揮できる領域に絞り込んで展開する「ブルーオーシャン戦略」をとっている現在は、「マクセルは何をしている会社?」という声を聞くことも増えたという。

実際に同社が実施した調査では、20代以下のブランド認知率が2割以下だということが判明。そこで、若年層に対する認知獲得に力を入れようと、『ソトイコ!』の小学生への発信力に着目した。

出前授業では、現在注力している自動車部品と、この部品によって提供できる「安心・安全」について、社会科の「産業」の単元で講義。神奈川県横浜市の事業所で開発に携わっている三沢昭央氏が先生役を務めた。「テーマ設定から講義資料やシナリオの作成まで、小学生向けのコンテンツづくりのプロの力を借りたことで、学校側のニーズにも合った授業になりました」と平氏。

授業後は、誌面での展開や約20分の授業動画を「ソトイコ! WEB」で公開。今後は、各事業部がそれぞれの地域で独自の出前授業実施に結びつく仕掛けを検討している。「これまで接点のなかった子どもや保護者に対して、マクセルブランドの認知を高めることができました。今後は社内ブランディングのツールとしても使いたいです」とマルチユースを見込んでいる。

 

マクセル ブランド戦略統括本部 企画部 部長兼 マクセルホールディングス
ブランド戦略・広報IR部 担当部長
平 健介氏

 



お問い合わせ
株式会社学研イノベーション SDGs・ESG支援推進室
https://gakken-inv.co.jp/
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