この時代にこそ、ブランドの力で企業を一つのチームに
ここまでは周年事業を機として企業はブランディングとどう向き合えばいいのか、取り組む前提となる心構えや考え方など展開してきました。本稿を締めくくるにあたって、冒頭に記した私なりの問題意識に対する試論を示したいと思います。
先に述べた通り、働き方改革や副業化・兼業化の波の中で、さらにはテクノロジーの進展も相まって、従業員は昭和の時代のように企業と同じ夢を見ることはもはや出来ない状況になると考えられます。多様な働き方が受容される環境下で、そもそも所属の意味合いが薄れ、百人百様の従業員が登場する可能性があります。これからの企業は否が応でも「個」としての従業員に向き合う局面が多くなるでしょう。
こうした潮流に対し、周年事業は一義的には「集」であることの意味を体感させる試みになります。普段は「個」として生きる従業員が、周年事業を通じて「集」を意識する。逆説的に言えば、自身は「集(チーム)」の一員だという意識があれば「個」の力をさらに発揮することにも繋がると思われます。実際のところ、私たちが働く上では「個」と「集」のどちらかに極端に偏るものではありません。従業員が常に個と集の間を往復しながらも、それが組織全体で見たときに、いつの間にか大きなムーブメントになっている。従業員と企業の夢が結び付く。これからの企業の「ブランド」の創り方はこのような形になるのではないでしょうか。
周年事業はブランディングを高める絶好の機会になる。そして、その機運は一過性でなく、次の周年を迎えるための原動力になる。本稿が周年事業やブランディングに携わる一人でも多くの方のヒントになるのであれば望外の幸です。
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宣伝会議人気講座「周年活用プロモーション講座」をもとに制作。その場限りのお祝い事ではなく、貴重な機会を最大限に活用し、会社の成長につながるような企画を作り上げ、実践していくためのバイブルとなる1冊です。
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