コラボレーションはフラットな関係性から生まれる
—企画の上流から進めたことで、いいクリエイティブに繋がった具体例は?柿本:
アンダーアーマーのWeb動画「I Will.Masami Nagasawa」があります。先にアンダーアーマーと長澤まさみさんの間で映像制作の話が進んでいて、「ディレクターを誰にするか」という段階で僕が呼ばれました。つまり、この企画は初期の段階から決裁者(クライアント)と出演者、映像を制作するフィニッシャーの三者だけで始まった企画だったんです。実は当初は全く違う企画を提案したのですが、予算の関係で別案が必要になり、社長の安田秀一さんとタクシーで移動している時に「長澤さんが日本の銭湯で激しく踊るくらいの方が面白いんじゃないですか」と提案したら、「それ、全然わかんないけど、いいですね」と即決されて(笑)。長澤さんの所属事務所も、ダンスの練習時間をしっかり取れるならと快諾して、臨んでくれた。通常のフローのように間に人が入って伝言ゲームの形になっていたら、「そんなめちゃくちゃな企画、僕の口からは言えません」と実現しなかったかもしれません。