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地方のアートディレクターが自費で行く、はじめてのカンヌライオンズVol.3 散々悔しい思いをしたからあとは楽しむだけだぜ!篇

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海外賞の勝手な楽しみ方

すでにやっている人はいるかもしれませんが、独自の海外賞の勝手な楽しみ方があります。それは今年のADFESTに参加して編み出した方法なのですが、初日は自分が思う「入賞するのではないか」という作品だけをスマホで撮影します。そして授賞式を見て自分の良いと思った感覚と照らし合わせて、審査員の感覚と比べることです。全然予想していなかった作品は後日見に行くという罰ゲーム方式です。

この一人遊びに良い名前が思いつきませんが、展示されているのはショートリストに残っている作品で、数が絞られているので負担も少ないですし、初日は知り合いが少ないので寂しさを紛らわすにはオススメです。あと、何でもかんでも撮ってしまうと後から見返したときに探すのが面倒だったりもします。

前回の記事でご紹介させて頂いた「The Gun Violence History Book」も初日に撮影していました。

ILLINOIS COUNCIL AGAINST HANDGUN VIOLENCE「The Gun Violence History Book」(FCB CHICAGO+LORD & THOMAS, Chicago +THE MILL, Chicago)

月曜の授賞式前という証拠。

「やっぱWebで見るのと現物を見るのは違ぇわ」

そんな一人遊びをしていた僕の中で印象的だったのがベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の「ReArranged」です。今回ゴールドを受賞しているこの作品は、管弦楽団の首席指揮者が空席のまま運営しなくてはいけない時期があり、その特別な状況を遊び心がある方法で表現している作品です。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のホール内にある物で、その新しいシーズンを象徴するように再編成・再配置しているようです。英語が苦手なので違っていたらすみません。

BERLINER PHILHARMONIKER「ReArranged」(SCHOLZ & FRIENDS Berlin)
※Industry Craft部門ゴールド、Print & Publishing部門シルバー受賞 

ゴールド受賞これまた一人遊びをしていた証拠。

縦型のレイアウト。

遠目から見ても存在感があり、「何これ超気になる」というのが初見の感想でした。黄色だけど安っぽくないのはビジュアルのせいかレイアウトのせいなのか。このレイアウトと文字組、日本人だったら無いような感性だなと思い惹かれました。

ホールの内装や椅子など、物の美しさもありますが、写真内でのレイアウトも考えられていて、とても綺麗でシンボリックな配置です。それぞれしっかりと手作業で並べられています。静的だけど動的というのかなんというのか。現物を持って帰りたい。

現地で見る価値という部分では、アートディレクターとして現物があるデザイン系は手に取って見れるので、印刷の色や形の精度・質感が細部まで確認できるのでとても刺激になります。

ALPARGATAS /havaianas 「LET’S SUMMER」(ALMAPBBDO São Paulo ACACA São Paulo+ADELMO ART Bauru+ESTUDIO PUM São Paulo+ GELMI ESTÚDIO DE ARTE São Paulo)
※インダストリークラフト ショートリスト

これも現物を持ち帰って良さを伝えたい。

色使いとレイアウトも面白くてストレスが無いです。

Audi pre sense「Road tarot」

UVインクジェット?のような感じ。質感も良い。

次ページ 「デザインだけじゃない解説ボードも現地でみるべし」へ続く