※本記事は株式会社マスメディアンの『advanced by massmedian』に掲載された記事を表示しています。
小学生のころの“妄想”がきっかけで…
夏野さんとはこの日が初対面のハヤカワさん。中高生時代から、同社が提供する動画サービス「niconico(ニコニコ)」のヘビーユーザーだという彼女は「(お会いできて)すごくうれしい」と感激しきり。
夏野さんはNTTドコモ在籍時、「iモード」をはじめ、「iアプリ」「デコメ」「キッズケータイ」「おサイフケータイ」など、数多のサービスを立ち上げたことでも知られています。
子どものころから“テクノロジーオタク”だったと話す夏野さん。お金やカードなどを携帯電話1つにまとめて持ち歩くことができる「おサイフケータイ」開発のきっかけの1つに、小学生のころに妄想していた“小銭のない世界があったらいいのに……”という思いがあったとか。
この話にハヤカワさんも、「自分が想像していたものを形にしてビジネスに落とし込むことって、けっこうあると思う」と同意すると、夏野さんは「好きな分野のことを妄想する。だから(アイデアが)自然に湧き出てくるもの。テクノロジーで不便なことが全部解決されている社会をいつも妄想している」と語ります。
現在、夏野さんは、テクノロジーを駆使して新しいモノやコトを開発するつくり手側にまわっているとか。「テクノロジーに関する仕事を、キャリアとしてずっとできていることがよかった」と振り返りつつ、「自分の成長段階に応じて新しいテクノロジーが使えるようになったら楽しいよね。人間の知恵は、テクノロジーで結集されている」と話します。
子どもたちが自信を持って生きていくために
夏野さんは、会社経営以外にもさまざまな分野で活躍。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会にも参与しています。大会マスコット選考する際、“全国の小学生による投票にしよう”と提案したのも夏野さん。「どういう決め方にすれば、誰も文句を言わないかを考えた。デザインに優劣はないので、子どもに選んでもらう決め方でうまくいってよかった」と語ります。
そして、“N高”ことN高等学校(インターネットと通信制高校の制度を活用した、単位制・通信制課程の高等学校)を2016年に設立した理由を、「ニコニコ動画の世界観を教育に当てはめたら、もっとたくさんの子どもたちが自信を持って生きていけるんじゃないかという妄想から生まれた」と明かします。
