『雑誌広告2.0』
宣伝会議 書籍編集部 編
宣伝会議 書籍編集部 編
「雑誌」の販売額や広告費は減少しているにもかかわらず、広告主から雑誌コンテンツの価値が改めて評価されている―。そんな実態をまとめた『雑誌広告2.0』が9月に発売となりました(宣伝会議刊)。
雑誌広告にいったい何が起きているのでしょう?本記事では、(1)デジタルシフト(2)態度変容(3)立体的な施策の3つのキーワードから、雑誌広告の潮流を見ていきます。
まず、雑誌をとりまく環境をおさらいしておきます。「メディア定点調査2019」(博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所)によれば、生活者の1日あたりのメディア接触時間(週平均・東京地区)のうち、雑誌への接触時間は10.7分、全体の2.6%という結果になっています。
創刊・復刊雑誌の点数よりも、休刊・廃刊点数のほうが多い状況が続いており、雑誌広告費については、「2018年 日本の広告費」(電通)によると、1841億円、日本の総広告費の2.8%という割合になりました。
こうしたデータを見ると、雑誌メディアは元気だ、とは言い難い状況です。では、なぜ広告主は雑誌を活用しているのでしょう?
(1)デジタルシフト
広告主が注目しているポイントに、雑誌の「デジタルシフト」があります。日本雑誌広告協会の広告問題対策委員会が行った2018年度調査では、「紙媒体の電子版率」が53.8%となっており、半数を超えています。これまで雑誌の影響力と言えば、販売部数でしたが、販売部数よりも「dマガジン」などの読み放題サービスのユニークユーザー数(UU数)のほうが多い雑誌もあります。
