米マーケターの関心は「Brand Safety」から「Brand Suitability」へ

10月、Integral Ad Science, Inc.(以下、IAS)のCEOであるLisa Utzschneider(リサ・アッツシュナイダー)氏が来日。IASはデジタル広告の検証・不正対策のためのテクノロジーを提供する企業。創業は2009年で米・ニューヨークに本社を構え、現在は日本を含む世界13カ国、17拠点で事業を展開している。来日した、リサ・アッツシュナイダーCEOに同社の日本での事業展開を始め、世界のデジタル広告の環境について話を聞いた。

リサ氏は2019年1月に現職に就任。同社にとって初の女性のCEOとなる。

—世界のマーケターは今、デジタル広告の品質においてどのようなテーマに関心を持っているのでしょう。

ビューアビリティの測定。またボットではなく、本当に人が視聴しているのか、アドフラウド対策という問題。そして、自社の広告が適切な環境下に置かれているかという点に関心を持っている。

特に3つ目の適切な環境という点においては、「Brand Safety」の担保だけでなく、「Brand Suitability(ブランド適合性)」の実現に関心が移ってきていると感じる。各ブランドの世界観に合わせて、適切な広告環境は異なる。掲出先の環境と広告の適合性を高めることで、より広告の投資効果を高めていきたいと考えるマーケターが増えていると感じている。

IASでは、2019年7月に、スマートフォンで閲覧するコンテンツの質が広告のパーセプションに及ぼす影響を脳神経学の観点から明らかにすることを目的にした調査のレポートを発表している。この調査を通じて「高品質なサイトに表示された広告は低品質なサイトに表示された場合と比較して、74%好感度が高くなる」こともわかった。ますます、広告と広告が掲出される場との適合性が重視されてくるのではないかと考えている。

IAS「脳科学から見るブランド認知~広告閲覧環境にけるハロー効果とブランド好感度への影響に関する調査レポート」

—日本の広告主企業とも面談の機会を持ったと聞きました。広告主のニーズや課題をどのように受け取りましたか。

日本で2日間にわたり、クライアント企業と面会する機会を得たが、そこで感じたのは「デジタル広告の品質の問題だけでなく、より積極的にデジタル広告におけるコンバージョン率を高めていくことに関心を持っている」ということだった。

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