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コラム

編集・ライター養成講座修了生が語る いまどきの若手編集者・ライターの生き方

執筆経験ゼロの私を本の出版にたどり着かせた3つの突破口

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これまで編集者やライターを目指す人が学んできた、宣伝会議の編集・ライター養成講座。本コラムではその修了生に、講座を受講したきっかけ、講座を受講してから変わったこと、そしてこれから目指すものについて書いていただきます。今回は編集・ライター養成講座を卒業し、『小学校受験バイブル ~賢い子育てをするために~』を今年の6月に出版された二宮未央さんです。

正直に申し上げて、いま私、ビビってます。

私のような者が本を出版してしまったこと、まるで自分のすべてを全国に晒してしまったかのようで。執筆経験が浅い私が、子どもが成人して子育てが成功したという実績もないこの私が、育児本のようなものを偉そうに出版してしまったこと。この期に及んで、本当にこれで良かったのか…と自問自答を繰り返す日々を送っております。

しかし、そう思う反面、私を諭す己の声も聞こえてきます。

何を怯えているのかね?誰もアンタに期待なんてしていませんよ。

もう世に出てしまったのだからしょうがない。それなら、なんの取柄もないアンタでも出版することができたというレアなケースを、これから自分の本を出版する夢を持つ方々に1つでも役立つことを伝えられたら、それで十分ではないのかい?

本を出版したいと思ったきっかけ

20代前半に結婚・出産をした私は、右も左も分からず、手探りで子育てをスタート。

20代を謳歌している友人を横目に見ながら、自分なりに一生懸命子育てに励んでいた“つもり”でしたが、それはそれはメチャクチャなものでした。まだ母親になりきれていないお子さまが、子どもを育てているような自己中心的な子育て。そんな私を見るに見かねてお尻を叩いてくれたのは、長男の小学校受験を機に再会した恩師でした。

「私の子育てを変えてくれた彼女の教えを、本にしてこの世に残したい!」
その想いは、いつの間にか私の中で大きくなっていきました。

しかし、執筆のキャリアもない私が本を出版するなんて、夢のまた夢。まずは執筆のテクニックを学ぶため宣伝会議の編集・ライター養成講座の門をくぐることになったのです。

授業では、業界の最先端でご活躍されている講師方のお話に、毎週のように刺激を受けながら多くのことを学ばせていただきました。博報堂ケトルの嶋浩一郎さんから頂いたお言葉は、特に印象的でした。

「人間はすでにほしいと分かっているものに対して提供されるサービスに感謝しない。人間は何が欲しいのか分からないものを言語化してくれるプレイヤーに感謝する」。

この言葉をきっかけに、自分が小学校受験真っ最中に「こんな本があれば良かった」という小学校受験に奮闘するお母さんを応援する本を創ろうと決心しました。

ランチェスター理論における3つの要点をトコトン突き詰め、理想から逆算して考える

息子の小学校受験の際、頭の中が受験一色だった私は、とにかく気分転換に受験とは全く関係のない本を読んで現実逃避をしたいと思っていました。そんなとき、友人に勧められ「ランチェスターNo.1理論」という本に出会いました。

この本の主旨を簡潔にまとめると、「一点集中」「差別化」「No.1になること」この3つが大事であるということが分かりやすく書かれています。主にビジネスをする人に向けた本ではありますが、やはり頭の中が受験でいっぱいの私は、この「ランチェスター理論」を受験に当てはめてみようと考えたのです。どのようにこのランチェスター理論を受験に活用したかはここでは割愛させていただきますが、ランチェスター理論は、今後如何なる分野にも活用できるものではないかと考えました。

そこで、講座を受講し、本を出版するという1つの夢にも、この「ランチェスター戦略」を導入してみようと考えたのです。

まずは「一点集中」。

授業、課題すべてを、本の出版に向けてイメージしながら受講しました。

「お母さんを応援する、恩師の言葉を伝える小学校受験の本」という明確な目標があることで、すべての授業の内容を、それに結び付けて学び取ることができたのです。課題や卒業制作も、「小学校受験」というコンテンツですべて通しました。

2つ目、「差別化」。

卒業制作のプレゼンテーションを、他の受講生と差別化することを考えました。

生まれてこの方「プレゼン」なんてものを経験したことがない私は、むしろそれが強み!とポジティブに捉え、インパクトのあるプレゼンにしようと思いました。

本当は、パワーポイントを駆使したカッコいいプレゼンに憧れていましたが、私はパソコンが大の苦手な、Theアナログ人間。そこで幼稚園教諭の経験がある私は、得意な「紙芝居」でプレゼンすることに決めました。

かなり勇気が必要ですが、さすがにこの時代、紙芝居でプレゼンする人なんていないだろう、コンテンツも子どもに関することだし、何より「紙芝居」にすることで、私らしいプレゼンができると考えたのです。講師の方からは、「後にも先にも紙芝居でプレゼンした人はいないよ」とお褒め(?)の言葉をいただきました(笑)

3つ目、「No.1になる」。

執筆のキャリアが皆無であるこの私が、本を出版するという無謀な夢を叶えるためには、まずは講座の卒業制作で、最優秀作品賞を受賞することが第一歩であると考えました。

受講する前から最優秀賞をとるという意気込みで挑みました。過去の受賞作品を読み込み、早い段階から取材に取り掛かりました。また、誰よりも早く、トップで提出しようと意気込み、1番に提出することができました。もちろん、1番に提出することが受賞に繋がるというわけではないかも知れませんが、この熱意を講師陣に伝えたかったのです。その結果もあって、私にとっては身に余る賞ではございますが、最優秀賞を受賞することができました。

①明確な目標を1点に定める
②自分にしかできない『私ならでは』で他と差別化して勝負する
③No.1になる意気込みを持つ

この3つのことを意識し続けることは簡単ではありません。

今こうして振り返りながら、怒涛のような日々をどう乗り越えたのか…と思い返すと、周りの方のご協力なしでは考えられません。その感謝の気持ちを忘れないことと、「伝えたい!」という強い情熱さえあれば、きっといつか、伝わると私は信じています。

もし、この記事をお読みの方で、編集・ライター養成講座の受講をお考えになっている方がいらっしゃいましたら、私の経験が少しでもお役に立てましたら幸いでございます。

宣伝会議卒業後、どのような道のりで出版に至ったかは、また次回、お話したいと思います。

二宮未央
ライター、コラムニスト

聖心女子専門学校卒業後、幼稚園教諭を経て結婚。出産・育児に入る。主婦として家事全般や子育てにいそしみつつ、保育士としても活動。保育園新規開園の立ち上げも経験する。2017年、編集・ライター養成講座の卒業制作で最優秀作品賞を受賞。著書に『小学校受験バイブル 賢い子育てをするために』(あさ出版)。執筆媒体は『東洋経済オンライン』『プレジデントウーマンオンライン』。企業の会社案内の執筆も手掛けている。

 

編集・ライター養成講座 総合コース

講師陣は、総合誌、週刊誌、ビジネス誌、ファッション誌、Webメディアなどさまざまな分野の現役編集長や、第一線で活躍中のライター・ジャーナリスト・作家など。多くの課題添削、実践トレーニングを通じて、現場で活躍できる編集者、ライターを養成します。

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