日本が“MaaS”先進国になるために必要なデータ活用と新しいサービスとは?

宣伝会議は、2019年11月12日、13日にANAインターコンチネンタルホテル東京にて「宣伝会議サミット」を開催。「令和時代のアドエクスペリエンス」と題して、開催された本サミットでは、カスタマーエクスペリエンスの質を向上するカギとなる、広告を始めとしたマーケティング・コミュニケーションの今日的な進化のあり方を考える各種セッションを展開した。本記事では広告・メディアビジネスの未来展望に関するマーケティング実務家による対談、講演、新たなマーケティング手法のプレゼンテーションについて、その一部を紹介する。

情報通信手段を利用して変わるモビリティサービス

左から、アーキセプトシティ 代表・クリエイティブディレクター 室井淳司氏、ジョルダン 戦略企画部 部長 佐藤博志氏、デンソー 東京支社 商品企画オフィス オフィス長伊藤好文氏。

情報通信手段を活用することで、自家用車以外のあらゆる交通機関をスムーズに連携させる「MaaS」(Mobility as a Service)。未来を見据えた新たな「移動」の概念として、自動車企業のみならず各界からその可能性に注目が集まっている。そこで本セッションではMaaSについて、アーキセプトシティの室井淳司氏とジョルダンの佐藤博志氏、デンソーの伊藤好文氏の3人のパネルディスカッションを実施した。

冒頭でアーキセプトシティ代表の室井淳司氏は、MaaSを「売る」ためのマーケティングの観点ではなく、お客さまとの接点の場として捉える観点から話したいと述べた。

それを受け、モビリティをつなぐサービスとしてのMaaSを説明したのが、「日本をMaaS先進国にする」と意気込むジョルダンの戦略企画部部長 佐藤博志氏。「日本は自動車産業に強みがあるので、自家用車の利用比率を減らすことをMaaSの目的にしてはいけない。しかし、世界で普及が進んでいるモバイルチケットの仕組みには追い付いていないのが現状。そこで、既存の交通チケットを安価にモバイル化できる長年の実績と技術を持つ、イギリスのMasabi(マサビ)社との提携を決めた」。

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