神谷製作所の神谷準一氏が、中国・上海にある同社の支社からの情報をもとに週刊で現在の新型コロナウイルスに関する情報環境、さらに日本でマーケティング実務に携わる人に役立つよう、その情報を読み解いてレポートします。
クリエイティブPRを手掛ける神谷製作所の上海支社「GoodNewsFactory Shanghai Co., Ltd.」では、新型コロナウイルスによって大きく中国の生活が変わる中、「中国における生活者の行動・習慣・価値観」の変化から、新しく生まれる社会のニーズを捉え、それに応えることが社会貢献のひとつであると考えています。
また国内で新型コロナウイルスによる感染者が増え続ける中で、「中国の変化や対策が日本においても役立つのではないか。いち早く中国での先例を、経済的な打撃を受けつつある日本のマーケティングでも役立ててもらえたら」という想いも込め、『社会サキヨミレポート:新型肺炎に関する中国国内動向とマーケティング活動への示唆』を作成し、 2020年2月3日より中国に所在する日系企業や、日本企業のマーケティング部に対し定期的にレポート配信を行っています。
本レポートは、中国における情報環境や市場動向・生活者ニーズに精通する「GoodNewsFactory Shanghai」のスタッフが現地で収集した情報をもとに、過去の類似事例のスタディから、1カ月先、2カ月先、さらには2020年通年での「生活の景色の変化」を予測したものです。本記事では、このレポートのサマリーをお届けします。
【KEY TOPICS】
〇武漢での「重症」診断率が22%に低下(2/16)
〇「日本における新型肺炎流行」が全国規模で話題に(2/16)
〇科学技術省が抗マラリア薬が新型肺炎に有効と発表(2/17)
〇Didiが一億元を投入、車両への車内防護幕を整備(2/18)
〇新型肺炎患者の初の解剖が行われる(2/19)
〇日本から新型肺炎検査キットの送付が発表される(2/20)
〇山東省の刑務所で200名の集団感染が発覚(2/21)
〇上海では一般企業においては徐々に在宅勤務などで活動が再開。2月17日からは多くの学校でもオンライン授業を取り入れており、「リモート」が一気に生活に普及。
「地方から戻ってこられない」「14日間の外出制限に該当」の社員も多い中、徐々に「在宅勤務」での活動が普及し、Alibabaの「釘釘」・Tencentの「企業微信」のDL数が急増。「釘釘」はいち早く「Online School」機能を無料化し、学校ではほぼデフォルトユースの状態になってます。
〇一部エリアでは感染者の発生件数が「ピークアウトした」との認識が出ており、警戒態勢は維持しつつも、安心感を取り戻す風景も見られている。
2月21日には、「14の省/自治区で前日の発症者がゼロ」、他各都市でも「前日比で減少」などの報道が出ており、生活者も「ピークを越えた可能性」を感じ始めている。ただし、同日夕刻には山東省の刑務所での200名の集団感染が発覚するなど、依然として「2月末までが見極めに必要」という論調が多い。


