乙武洋匡が断言「義足ランナーが“一番速い”時代がやってくる」

※本記事は株式会社マスメディアンの『advanced by massmedian』に掲載された記事を表示しています。

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味さんがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。2月22日(土)の放送は、前回に引き続き、作家の乙武洋匡さんが登場しました。

“体育”と“スポーツ”の違い

スポーツライターとしても活動してきた乙武さん。いよいよ今夏に開催される東京オリンピック・パラリンピックを控え、「去年は、1つ大きな変化があった」と言います。それは、10月の第2月曜日の祝日の名称が“体育の日”から“スポーツの日”に変更になったこと。

乙武さんによると、インターネット上では、「名称だけ変えることになんの意味があるの?」といった意見が散見されたそうですが、「僕は(変更が)けっこうデカイと思っていて。体育とスポーツは同じだと思っている人が多いけど、むしろ真逆なもの」と唱えます。

そもそも、“体育”ができた経緯について、「ドイツが、兵隊を訓練して強化するシステムとして編み出されたもの。つまり規律を大事にしながら、上の命令を下にやらせ、体を鍛えるのが体育」と説明します。それだけに、「学生のころ『体育が嫌いだった』という人が多いのは、上から言われてやりたくないことも嫌々させられる。周りと同じようにやらないと怒られる。これが“体育嫌い”を生んでいる大きな原因」と指摘します。

対してスポーツは、語源を遡ると“余暇”“非日常を楽しむ”といった意味合いが多いのだそう。「スポーツは自分から能動的に楽しむもので、本来、みんなが楽しめるもの。日本は、その辺り(の意味)をけっこうはき違えていて、『スポーツが嫌い』と言う人は、“スポーツ”が嫌いなのではなく、“体育”が嫌いなだけ」と話します。

そして、「“スポーツの日”という名称だけでなく、東京オリンピック・パラリンピックの開催を機に“体育文化”を脱して、“スポーツ文化”に移行していけたらいいなと思う」と期待を込めます。

パラリンピック選手のほうが強くなる時代!?

ハヤカワさんがパラスポーツの未来について問うと、乙武さんは「パラリンピックの競技記録が、オリンピックの競技記録を上回る時代が、妄想ではなく既に現実のものとなりつつある」と答えます。

現に、「走り幅跳びでは、マルクス・レーム(ドイツ)という義足の選手が、オリンピックで金メダルを獲得した選手の記録を上回っています。もし彼がオリンピックに出場できたら、義足の選手が金メダルを獲ってしまう可能性がかなり高い。でも(出場は)許されていない」と乙武さん。

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