「難解さ」に燃えるコンテンツメイクコンサル集団 ―ストライプス

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2015年に創業したストライプスは、メディアを横断して企業のクリエイティブのプロデュースを手掛けている。自身もプレイヤーとして第一線で活躍する代表の遠藤耕太さんに話を聞いた。

「1周回ってCMが増えている」

ストライプス 代表取締役 遠藤耕太さん。

ストライプスには、現在3人のプロデューサー(PR)と3人のプロダクションマネージャー(PM)を含む8人が所属。これまで映像を軸に、テレビCMやWebサイト、イベント、デバイス開発などに至るまで、幅広くプロデュースを手掛けてきた。

創業者/代表取締役の遠藤耕太さんは、CM制作プロダクションのエンジンフイルムで映像制作に従事し、その後グループ会社のエンジンプラスでインタラクティブコンテンツを手がけてきた。ストライプス創業後は、その経験から映像を軸に、メディアを横断したコンテンツ制作に関するプロデュースとコンサルティングを行っている。

「創業から数年間は自分たちでも『何屋さんなのか?』と思うほど、幅広くプロデュースをしてきたのですが、面白いことに最近は一周回ってテレビCMの仕事が増えています」と遠藤さん。その背景には、同社ならではの“職人気質”があるという。

「CMという完成後の修正が効かない映像の領域で仕事をしてきたこともあり、インタラクティブコンテンツは更新ができる場合がありますが、それに甘えてはいけない気持ちがありました。いかなるフィールドの仕事でもきちんと最適なコンテンツをつくりあげることを考えています。こうした部分とメディアを横断したプロデュースとが当社の強みになっており、結果的にCMの案件が最近増えてきたのではないかと感じています」。

コンセプトベビーカー Smile Explorer 開発プロデュース
日本HP イベント ―丸の内PCオーケストラ― 開発プロデュース
IDOM 「どこまでも、全力少年。」CM
日本ガイシ「Surprising Ceramics. 響き合う世界」CM
PR TIMES 「Jooto」CM

ポケモン『ポケットモンスター ソード・シールド』CM 
©2019 Pokemon. ©1995-2019 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
ポケットモンスター・ポケモン・Pokemonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
Nintendo Switch のロゴ・Nintendo Switchは任天堂の商標です。

「より難解な仕事を、笑顔で。」 その心は?

一方で、PR、PMの働き方というと、激務というイメージがある人も少なくないだろう。ストライプスはどうなのだろうか。「基本的に土日は休みです。僕も休みたいですしね。休日出勤をしたら代休を取ってもらう、前日夜が遅かったら翌日出勤を遅くする、そういった当たり前のことは、当たり前にやっています」。遠藤さんを含め、企画書づくりや簡易的な編集ができるPRが多いため、PMの仕事量が過多になってしまう事態も防げているという。

その背景に存在するのは、ストライプスが掲げる「より難解な仕事を、笑顔で。」という信念だ。答えのないコミュニケーションという領域だからこそ、その難解さに笑顔で立ち向かうという意思が込められている。

それを象徴する仕事が、2017年にキングジムが立ち上げた文房具ブランド「HITOTOKI」の開始時に公開された動画、「HITOTOKI CLOCK」である。「暮らしの中のたのしい“ひととき”を提供する」というブランドコンセプトを体現すべく制作されたもので、1日の時計の短針と長針、背景を1分ごとに全て手作業で切り替え、60分×24時間分、計1440パターンを制作し、ワンカットで撮影したという力作だ。映像は同年のグッドデザイン賞を受賞した。

キングジム “HITOTOKI CLOCK” ブランドムービー

「HITOTOKI CLOCK」の公式サイトでは、リアルタイム版も公開されている。

「チャレンジングな企画ながら、自分たちで心を込めて企画したので、皆撮影に参加したくて仕方がないんです。ただ、皆そろって24時間通し撮影することはもちろんできない。結局チーム分けをし、パートタイム制で持ち時間を決めることで、ワンカット撮影が成功しました。その時に、制約の中でもやりたい仕事をとことん追求することが我々にとっての働く価値であり、単純な時間短縮や効率化だけでない、理想の働き方なのではないかと思いました」。

そんな同社だからこそ、仕事を受ける際は、「これをお願いします」よりも、「これどうすれば実現できますか?」という案件はさらに「燃える」という。「予算などの制約の中で、フィジビリティと照らし合わせながらメディアを横断して企画する。難解さを乗り越えることで、自分たちが10年後も忘れられないような仕事をしていきたいです。そうすることで、今後のアイデアや企画の可能性が広がるかもしれない。いまのアウトプットが未来のためになると思ってやっています」。

社員皆が「強み」を仕事に

現在もプロデューサーとして第一線で活躍する遠藤さんだが、「今年、来年あたりまではプレイヤーとして力を尽くし、それ以降は後輩に徐々にシフトしていきたい」と話す。「というのも、来年中をめどに自社開発を進めたいんです。自分たちでモノをつくる経験が、従来の業務を改善したり、これからの自社の事業に活きてくると思うので、まずはロールモデルとして自分から動ける体制をつくります」。

自社開発物は、具体的には世界中の映像従事者が困ったときに参照できるような、映像プラットフォームを想定しているという。「僕の場合は、『嗜好』『性質』『できること』、それぞれの輪が重なる『強み』の部分に映像があるので、そこからアイデアを構想しました」。

今後の理想は、社員それぞれがその「強み」を見つけ、仕事に結びつけていくことだ。

「先日とあるクライアントへのプレゼンの際に、カメラ好きのPMが制作したサンプル動画を入れて提案したんです。するとその動画が気に入られ、クライアントのコーポレート動画を制作することになりました。そのPMにはディレクターの名刺を持たせることで、活躍の場を広げていってもらいたいと考えています。ゆくゆくは社員皆それぞれが強みを明確にし、個々のキャラクターが立ちながらも意見が言い合える、そんな集団になりたいですね」。

ストライプス
代表取締役
遠藤耕太さん

1975年生まれ。青山学院大学を卒業後、エンジンフイルムに入社し、プロダクションマネージャーとしてCMを中心とした映像制作に従事。2006年にエンジンプラスに出向し映像とインタラクティブを融合させたコンテンツ制作を行う。2007年プロデューサーに昇格、2014年執行役員チーフプロデューサーに。2015年エンジンフイルム、エンジンプラスを退社し、同年ストライプスを設立。TVCM、Webコンテンツ、開発の各分野で、ONE-SHOW、NY ADCなど海外広告賞を多数受賞。

 


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