少しずつ進むクリエイターの働き方改革
2019年4月1日から「働き方改革関連法」が順次施行され、国を挙げて働き方改革を進める日本。クリエイターの働き方にも社会の大きな関心が集まり、多くの広告会社で新たに労働環境の改善に向けた動きが始まっている。
本調査では、「自身の働き方改革が進んでいる」と「思う」「どちらかといえば思う」と答えた人は62.0%で、過半数を占める。
一方で、今後クリエイターの働き方改革を進めるには、クライアントの理解が重要になるという声も寄せられた。
「広告業界はブラックと言われがちだが、クライアント側の理解によるところが大きいことはもっと広く認知されてほしい」(20代 女性)。
「働き方改革の意識の低いお得意先(担当者)の案件は、昔のまま。深夜・週末も拘束されるし、週末はもちろん大型連休の前日に依頼があり休み明けの提出を求められる。現状、働き方改革が進んだことによって、引受先がなくなった困った案件を受けることが増えているように感じる」(50代 女性)。
「締め切りが“ある程度”余裕がある仕事が多くなるといい。締め切りを交渉できる会社に所属したい。例えば、長期休暇直後(GW明け・お盆明け・お正月明け)直後のプレは珍しくない。クライアントの業務はスムーズかと思いますが、制作側は休みの間に作っているのです…。一部のクライアントさんは「その分休めるでショ?」と思っているようですが、そんな夢のようなロングバケーションはありませんよぅ、他社の仕事もあるし(涙)」
(50代 女性)
働き方改革の本来の目的とは。
クリエイターの働き方改革が進む中で、少しずつ課題も見えてきた。現状働き方改革の手段である時短やリモートワークばかりが取りざたされて、本来の意義が見失われているのではという声が多数寄せられた。
「『働き方改革』を、単に『時短』でしかも、デジタル活用やリモートワークによる時短、と捕らえると、数年後に国家規模で『痛い目』を見ると予感する。育成の観点を忘れないこと。働きやすさも、働きにくさも、お仕着せでは、何の意味も効果もない。国家規模で人手不足の深刻さが顕在化するだろう今後20〜30年の視点で、何を準備しつづけないといけないか?一番大事なことが出来ていないままな気がする」(50代 男性)。
