ある時、この悩みを吹き飛ばしてくれたのが、移動した蔵の材料を組み直していた職人さんだった。職人さんが蔵の柱にもともと刻まれていた抜き部分を利用して、現場にあるもので作った即席掃除用具置場、最近、我々でいうところの『まかない家具』を、偶然にも見たことがきっかけになったのだ。それを見て『そうか、建築の中の蔵の骨組み。そのままではハリボテの骨組みも、骨組みを利用した機能が新たに加えられることで、そのハリボテ自体が機能しはじめ、ハリボテがハリボテじゃなくなる。』そう考えたのだった」
古い蔵を再構築、長坂常が空間を手がけたニューバランスの新コンセプトストア
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