下心なく賞獲りに専念できる「賞」

第58回「宣伝会議賞」の募集が始まりました(応募締め切りは11月19日)!第58回「宣伝会議賞」の審査員の方々のコラムをリレー形式で紹介していきます。
第2回は松井 一紘さんです。

ティー・ワイ・オー
コピーライター/プランナー/クリエイティブディレクター
松井一紘

1987年山口県下関市生まれ。ロックスターを夢見てイギリスへ留学。
瞬く間に心折れ帰国し、早稲田大学文化構想学部入学。2012年TYO入社。
現在クリエイティブ部門SPARKに所属。ブックオフ「ブックオフなのに本ねぇ〜じゃん!」で2020年度TCC最高新人賞、2019年ACCフィルム部門グランプリ、OCC賞など受賞。

 

広告業界にいると、よくこんな話を耳にするんです。
「この広告、ただのクリエイターのエゴだよね〜。どうせ賞獲り目的のためでしょ」

たしかにそれはいかん。
私たちはクライアントの大金を預かって、モノや人を動かす仕事をしているわけで、
自分をプロモーションしちゃってどうする。

そもそもクリエイターという肩書きもやましい。
しかも満を持してローンチしたものの、売れ行きは伸びませんでした、ということも多々。
本来なら打ち首、ハラキリですが、何事もなかったかのように、
のうのうと生きていけるのが広告屋という商売でもあります。

僕もこの「賞獲り」に対しては、かなり否定的でした。
そして賞を獲ったらどこか特別扱いというか神格化されていく、
この業界にもちょっと寒気を感じておりました。

でも、数年前。考えを変えてみたんです。

「賞獲り」という目的がやらしいんであって、
「賞を獲る」という結果は別に悪いことじゃない。

「賞を獲る」ということは、
それほど世の中が反応したという事実でもあるわけで。
審査員もそれなりの見識をもって判断しているわけで。

ということは、一周回って、
「賞獲り」目的=「世の中が動く」ものをつくる、という
極めてピュアな欲望なんじゃないか、と思うようになってきました。
(どうかロジカルに否定しないでください。)

そもそも、広告業界の隅っこで働いている僕みたいな人にとっては、
「賞」がないと、業界の関係者も、いい仕事も回ってこないのです。
そういった点で、「宣伝会議賞」とは実にすばらしい賞だと思います。

だって、「賞」を獲ることがすべての目的ですもの。

「どうせ、賞獲り目的でしょ?」とか言ってくるやつには、
「アタマ、大丈夫?オリエン見た?」と胸張って言える。

仕事でクライアントに10案持っていたら、
「君は結局、何を伝えたいのかね?ポリシーのない野郎だ」と思われるのに、
宣伝会議賞なら1000案も2000案も平気で出せちゃう。

そして、賞を獲ったら、名前を知ってもらって、
いいトコに転職できたり、思わぬプロジェクトに誘ってもらえたりする。
1位になると100万円のボーナスだってついてくる。

こんないい賞、ないと思います。

広告はこうあるべきだ。コピーとはこうあるべきだ。
というのも大事ですが、もっと素直になって、
60万点以上のコピーの中で誰にもかぶらない、際立った一行を
書いてみたほうがきっと、てっとり早い気がします。

カッコつけたり、キレイごとを語っていたら
逆に振り向かれない賞。それが宣伝会議賞。

キレイごとを語っていた頃の僕は
2次審査止まりだったんだから、きっと真実です。

どうぞ、ピュアな心をもって
全力で賞獲りに専念下さい。

月刊『宣伝会議』11月号

第58回「宣伝会議賞」課題発表号!
 
今年で第58回を迎える「宣伝会議賞」は、「コピーライターの登竜門」として長年にわたり、若手のクリエイターやクリエイターを目指す方々に活躍の機会を提供してまいりました。前年度は62万点以上の作品応募があるなど、日本最大規模の広告賞となっています。クリエイティブ能力に自信のある方も、力を試してみたい方も、自分の新たな可能性を発見するチャンスです。

第58回「宣伝会議賞」審査員
第58回「宣伝会議賞」審査員
第58回「宣伝会議賞」審査員
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