3月6日からスタートする新講座「コピーライター養成講座『ART&COPY』コース 阿部広太郎クラス」。本講座では、コピーライターの阿部広太郎さんがメイン講師を担当しつつ、数回はクリエイティブディレクター(以下CD)やアートディレクター(以下AD)もゲスト講師として登壇します。今回は、阿部さんとゲスト講師の1人であるCD/ADの小杉幸一さんに、コピーライターとデザイナー・ADがともに学び合う講座にした狙いや、実際の仕事においてこのコンビでどのような相乗効果や成長が得られるのかについてお話を伺いました。
「自明の理」×「暗黙の了解」ですごいエネルギーに
—お二人は、コピーライターとデザイナー・AD、それぞれの役割をどのようにお考えですか?阿部:
両者ともに「物事の見方を世界に提示する仕事」という点では共通していると思います。ライターの世界では、『書く「Writing」であり、光を当てる「Lighting」でもある』と言われますが、魅力的なポイントを見つけて光を当てる、という部分は同じだと考えています。
そのうえで、コピーライターは「どう読めるか?」に軸足を置き、ADやデザイナーは「どう見えるか?」に軸足を置いていると僕は捉えています。
言葉にすることは「自明の理」をつくることで、ビジュアルにすることは「暗黙の了解」をつくることです。この「自明の理」と「暗黙の了解」を掛け算していくとすごいエネルギーを放つ、という関係にあると思います。
小杉:
クリエイティブという職種全体に言えるかもしれませんが、大きくは「翻訳家」だと思っています。それがコピーであり、ビジュアルであり、プランニングであろうが、世の中にどう伝えるか。
ただ、僕らがやっているのは翻訳サイトのような表面的な意味だけの翻訳ではなくて、クリエイター1人ひとりが深いところで理解して、何を考えて、その人自身の魅力で、どうアウトプットしていくか、という意味での翻訳「家」なのです。だから「役割」というよりは、その人がどういうことをコミュニケーションで考えているかが見えてくるわけで、それぞれの個性が際立ってこなければいけない職種なんだと思います。