【CES2021】今後の買い物体験は「デジタルファーストメンタリティ」がカギ(玉井博久)

最新のテクノロジートレンドに触れることができる、世界最大規模のテクノロジーカンファレンス「CES」。今年は日本時間1月11日の午後9時に、完全オンラインでスタートしました。本稿では、江崎グリコの玉井博久氏が速報で注目ポイントをレポートします。

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2025年には消費財の売上の40%がオンラインに

米国の家電量販店ベスト・バイのCEOコリー・バリー氏は「これからの買い物を考えるうえで、2019年に戻ることはない」と言います。彼女の夫もカーブサイドショッピング(事前にオンラインで購入しておき、車で店舗に行くと購入の品を積んでもらえる)に慣れてしまって、もう戻れないと言うのです。

2022年はデジタルから体験が始まります。世界最大の実店舗型家電量販店のCEOである彼女が「これからはデジタルファーストメンタリティが必要で、ジャーニーはこれから家で、デジタルから始まる」と話したことは印象的でした。

デロイトUKのポール・リー氏もこう話します。「すでに私たちは平均14分で一般的な日常の食材のショッピングを終えることができてしまっている。そんな中、日々の食材のためにわざわざ外出して買い物することが、今のベネフィットに打ち勝つとは考えられない」。そしてディズニーのエグゼクティブバイスプレジデントも、「もう私たちはニューノーマルにいるし、コロナによって生じたリテール&コマースの生活者の変化を迎え入れる」と述べました。

さらに、マスターカードの調査データによると、73%のアメリカ人がコロナによって生じた買い物体験は永遠に続くと回答しています。

こうした現在進行形の変化に対して、NBCユニバーサル(メディアネットワーク)のシニアバイスプレジデントは、「コンテンツとコマースを1パックで考えるようにした」と言います。

具体的にはショッパバルTVをローンチ。テレビ番組中に適当な場面でQRコードが表示され、視聴者はスマホを使ってその場で購入に進むことができるものです。商品販売の機会はEコマースプレイヤーだけのものではないし、成功している消費財やD2Cブランドはショッパブルアドフォーマットに広告出稿をシフトさせていることから、こうした対応を急速に進めたようです。

米国では、2025年には消費財の売上の40%がオンラインになるデータが発表されており、オンラインショッピングを進める打ち手としてコンテンツとEコマースの一体化は注目すべきポイントとなりそうです。

ボイスショッピング市場は400億ドル?

またオンラインショッピングを深化させる他の例として、VISAから「ボイスコマース」が紹介されました。アレクサやグーグルアシスタント、Slack、ボイスSMSを通じてオンラインショッピングができるというものです。

Eコマースの新しい形として、ボイスコマースがVISAより紹介された。

声によるやりとりはスマホをタッチする動作よりも3倍速く、人間としてより自然な行為です。スクリーンを見る時間を減らすこともできますし、タッチ不要のためコロナ感染のリスクも減らすことができます。そのためボイスショッピング市場は、2022年には400億ドルに拡大するともいわれており、今後の発展が期待されます。

次ページ 「リアルな空間では安全性の担保がカギ」へ続く

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