AI活用で変わる「介護の未来」とは? エクサウィザーズ代表・石山洸「みんな“Win-Win”になれるような仕組みを…」

share

※本記事は株式会社マスメディアンの『advanced by massmedian』に掲載された記事を表示しています。

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味さんがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。2月20日(土)の放送は、エクサウィザーズ 代表取締役社長の石山洸(いしやま・こう)さんが登場しました。

(左から)石山洸さん、ハヤカワ五味

AI(人工知能)の可能性

エクサウィザーズは、「AI(人工知能)を用いた社会課題解決を通じて、幸せな社会を実現する」をビジョンとして掲げています。同社では介護や医療、金融など、多様な事業領域にAIを駆使したソリューションや自社サービスを提供しています。

少子高齢化に歯止めがかからず、日本は2007年に高齢化率(65歳以上の人口の割合)が21%を超え“超高齢社会“へと突入。それだけに、高齢化にまつわる社会課題を中心に「AIの活用を進めている」と石山さんは話します。

それは大きく3つに分類されるそうで、1つは「医療や介護の分野へのAIの活用」。認知症になることで2030年までに凍結される金融資産はおよそ200兆円と言われており、社会保障費が増えると持続可能性が危うくなります。そのため、「いかに、FinTech(金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語)の分野にAIを活用するか」が重要。さらには、AIを活用し「デジタルトランスフォーメーション(デジタル技術によるビジネスの変革)を企業に導入していくこと」です。

「AIの活用」とひと口に言っても、介護の分野では容易ではなかったそうですが、ディープラーニング(深層学習)の技術の進歩が大きな変化をもたらしました。

石山さんによると、画像や動画の解析に長けたディープラーニングの技術によって、「実際に介護をしているとき、ベテランの方と初心者の方では、目線の合わせ方や手の触れ方、声のかけ方などが違う。それらがどのように違って、その結果、認知症の症状がどのように変化しているのか、などをAIは追えるようになってきた」と解説。それによって「科学的に介護とはなにかを解明することが新しくできるようになってきている」と話します。

その一方で、石山さんは「自動運転などの分野と違って、介護の分野ではまだまだAIが活用されておらず、根源的な社会課題にチャレンジする人が少ない」という現状に触れつつ、「新しいチャンスを見つけていければ」と前を向きます。

文系からAIの道へと進んだきっかけ

もともとは大学で社会科学を学んでいた石山さんが、AIと出会ったきっかけは、2001年9月11日の大学2年生のときに起こった「アメリカ同時多発テロ事件」でした。ショッキングなニュース映像を目にし、「いまアメリカはどうなっているんだろう……」と、思ったと言います。

しかし、これまで一度も海外渡航の経験がなく、お金もなかった石山さんは“アメリカに行ってみたい”という思いが芽生えつつも、手をこまねいていました。そんな矢先、米カーネギーメロン大学でAIのプログラミングコンテストが開催されること、その日本予選を通過すると無料で渡米できることを知り、AIのプログラミングを始めたそう。

そして、見事アメリカ行きの切符を手にした石山さん。その現地でコンテストに出場していた姿を、たまたま見た東京工業大学の先生から「君は絶対に修士から理転したほうがいい」と言われた言葉をきっかけに理系の道へ進みます。大学院では、研究に没頭し「1日約16時間もプログラミングの研究をする毎日だった」と言います。

しかし、数多くの論文を書くなかで「論文を書いているだけだと、社会がなかなかよくならない」ということに気づかされます。「社会でAIを実装したい!」という強い思いから、2006年4月にリクルートホールディングスに入社。以降、同社でデジタルトランスフォーメーションに携わってきた石山さんは、2015年4月にリクルートでAI研究所を設立し、初代所長に就任します。

一通りAIが活用できるようになっていくなかで、「次のステップでいろいろとトライしてみたい」との思いを持つようになります。そこから、日本社会において重要な分野の1つでもある介護、超高齢社会の分野にAIを活用するべく、現在のビジネスへと舵を切っていきました。そして2017年3月、石山さんはデジタルセンセーション取締役COOに就任し、同年10月の合併を機に現職に就任しました。

AI技術が超高齢社会の課題解決の一助に

石山さんは、AI活用を地道に進めていくなかで期待していることについて語り始めます。現在、介護をしている様子をスマートフォンで撮影した動画を送ると、AIがそれを解析し「修正点を挙げて返してくれるようなことも少しずつできるようになってきている」と話します。これが実装され、多くの人が活用できるようになると、世の中の介護レベルが上がることが期待されます。

そして、科学的な介護が介入するにあたり、「社会的なインパクトがどうなのか」検証する必要があると石山さん。例えば、3年後に要介護度が悪化するかどうかをAI予測してみたところ、「3年後、要介護度5に80%以上の確率でなるはずだったが、要介護度4のままで済んだ。そうなると、頑張った効果が評価できる」と話します。

さらには、「科学的な介護をする。それを普及させる。そして、そのインパクトを評価すること。この3つを組み合わせて社会に導入していければ介護をする人の負担も減るし、認知症の方の症状も改善する。介護をする人の負担が減れば離職率も減るので、介護施設の経営者にとってもうれしい。要介護度の悪化が抑制されれば、社会保障費もより持続可能になり、納税者にとってもうれしい」とさまざまなメリットを挙げ、「いろいろと関わるステークホルダー(利害関係者)の人がみんな“Win-Win(ウィンウィン)”になれるようなスキーム(仕組み)をうまくつくっていければ」と展望を語りました。

【この記事の放送回をpodcastで聴く】


<番組概要>
番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter:@mousou_tfm


コンテンツパートナー記事とは
AdverTimes編集部が注目する広告界のオウンドメディアから
読者に届けたい記事を厳選し掲載しています

Follow Us