働き方が大きく変化した2020年。これからの時代に、自分らしく働き生きる鍵はどこにあるのか。dentsu zero エグゼクティブ・クリエーティブディレクター 東畑幸多さんと世界ゆるスポーツ協会代表理事/コピーライター 澤田智洋さんに語っていただきました。 (本記事は月刊『ブレーン』2021年5月号のWORKERS番外編「クリエイターの働き方白書」に掲載したものです)
弱さのカードが働き方のヒントに
澤田
:今回僕が東畑さんとお話ししたいと思ったのは、昨春、新入社員に向けて「今後、広告の未来には“小さなリーダー” が必要だ」という話をされたと聞いて、感銘を受けたのがきっかけでした。
東畑
:電通にはいろいろな人がいたことを伝えたいと思って、ディズニーランドを日本に誘致した小谷正一さん、堀貞一郎さんという2 人の伝説的なプロデューサーについて書かれた『「エンタメ」の夜明け』(講談社)をそこで紹介しました。これを読むと、もともと電通は各個人が興味をもっていることを仕事にしていくカルチャーのある会社だったんだと気づきます。
そして、僕が一番伝えたかったのは、それぞれが大切に思うことを仕事にして、“小さいリーダー”になっていくことが必要だということ。ちょうどその頃に「世界ゆるスポーツ協会」などの取り組みをしている澤田くんと出会って、まさに小さなリーダーだなと。
澤田
:ありがとうございます。僕は2004年に入社して、東畑さんをはじめ、広告界のスターといわれる方に憧れて、必死にコピーや企画を頑張っていたんです。でも、25歳頃に同じ土俵では逆立ちしても敵わないと気づき、どうやって広告界で生きていこうかと考えていて。そこで、隅っこで、当時はフリーペーパーだったリクルートの『R25』で「キメゾー」という漫画を連載したり、天丼チェーンの「てんや」が新商品を出すたびに新曲を出す「エビメタ・バンド」をつくったりしていました。