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コラム

澤本・権八のすぐに終わりますから。アドタイ出張所

成り行きが生業に。そして奇跡に期待しない青い反抗心。(ゲスト:松尾潔)【中編】

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【前回コラム】「「音楽人生30年、“ベテラン”ではなく、“新人”と呼ばれたいが一心で小説を書いた」(ゲスト:松尾潔)【前編】」はこちら

今週のゲストは、先週に引き続き、音楽プロデューサーの松尾潔さん。1995年から2002年まで放送されていたオーディション番組『ASAYAN』(テレビ東京)の裏話から、「自分の“好き”を仕事にしたい」と悩む若者へのメッセージまで、松尾さんの人生哲学をたっぷりと語ってもらいました。

今回の登場人物紹介

左から、松尾潔、澤本嘉光(すぐおわパーソナリティ)、権八成裕(すぐおわパーソナリティ)、中村洋基(すぐおわレギュラーゲスト)

※本記事は3月28日放送分の内容をダイジェスト収録したものです。

『ASAYAN』には若き権八も携わっていた!?

澤本:権八、松尾さんと関係あるんだよね。

権八:ええ、でもそんな大した関係ではなくて。

松尾:権八さんのお父さんが僕の出身高校の大先輩でいらっしゃるっていうのが一つと。

権八:『ASAYAN』(1995~2002年、テレビ東京)で、当時EXILEやCHEMISTRYがデビューするきっかけになったオーディションやってたじゃないですか。彼らの一人ひとりのキャッチコピーみたいなのを書かされたんですよ。

中村:えっ!

松尾:若き権八青年が!

権八:全然覚えていないんですけどね。番組中のテロップに名前もちょっと出るぐらいの。

松尾:収録とかもたまにいらっしゃった?

権八:全然全然。そういうのはなかったんで。だから本当に使われたのかどうかもよく覚えてないですけど。ATSUSHIさんとかが農場でトラクターで耕してたりするのね。

松尾:トラクターやってたのは堂珍くんの方です。

権八:あっそうでした!失礼しました(笑)。

松尾:そうだったんですか。お世話になっていました。

権八:全然全然、とんでもないです。

中村:CHEMISTRYのめちゃくちゃ面白かったですよね。WEB野郎中村、当時中学生で。

松尾:中村さん今おいくつですか?

中村:42になったところです。

松尾:じゃあ本当にCHEMISTRY世代ですね。

中村:まさにド世代で。『ASAYAN』を毎週栃木県のド田舎でじーっと見てましたよ。「確かに歌うまいけどヒットするのかな?」みたいに思ってましたけど、
めちゃくちゃヒットして。

権八:それっぽいエピソードも本に出てきますよね。

松尾:出てきますね。

権八:優勝しなかった側がデビューみたいな。

松尾:そうですね。私はとにかくオーディションにたくさん関わってきましたからね。CHEMISTRYのオーディションもそうでしたし。その後CHEMISTRYになれなかったATSUSHIくんとNESMITHくんが今EXILEってグループにいるんですけれども、EXILEの事務所のLDHの方にもその後関わりを持つことになって。そこで初めてつくった『Lovers Again』(2007年)を課題曲としてやった「EXILE VOCAL BATTLE AUDITION 2006 〜ASIAN DREAM〜」で、今度TAKAHIROくんたちが選ばれて。

その次は三代目 J Soul Brothersさんのオーディションのときも僕は審査員やってましたし。その審査のときは、かつて僕が『ASAYAN』のときに審査したATSUSHIくんと隣で一緒に審査したわけですよ。だから審査する側・される側っていうのはどんどんそうやって変わっていくんだなと思いますし、いつまでもそこにいるわけじゃないんだってこともこの20年ぐらいでよく感じますね。20年前は僕自身が『ASAYAN』で審査する側にいましたけど、テレビを見てる人からすると「この人誰?」って思ってるわけ。僕も視聴者の方々に審査されてたんだなと思うんですよね。「つんく♂さんの次誰?」「お手並み拝見」みたいな。僕もそのことは容易に想像できたので、『ASAYAN』の出演依頼というかオーディションのプロデュース依頼は2回ほどお断りしたんです。

権八:そうなんだ。

松尾:そのときに「俺がなんでモーニング息子やんなきゃいけないんですか」って言ったことは今でも語り草になってます(笑)。

権八:面白い(笑)。

松尾:「松尾さんのアーティスティックな方法でやっていいですよ」って言われて、「じゃあやらせてもらいますよ」ってことで3回目のオファーでお引き受けしたのが、今のCHEMISTRYにつながったわけですね。

次ページ 「「大勝ちできなくても負けなければ次の試合ができんじゃないか」ってマインドで。」へ続く