【前回】「SNSの「話題」から読み解く最新トレンド Vol.1 若者にもしっかり届いた、ポカリスエット「でも君が見えた」篇」はこちら桜美林大学准教授/マーケティング・コンサルタント
西山 守
商品、映画、広告キャンペーンなど、さまざまな領域で生まれるヒット。その背景には、SNSや多種多様なメディアから情報が拡がり、話題が伝搬していくことでブーム化していく、近年はそんな現象が見られるようになっています。こうした話題になった事例を分析、そのしくみを解説した書籍『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』の著者である西山守さんが、最近話題になった事象について読み解きます。
星野源と新垣結衣の結婚のニュース(5月19日)は、芸能ニュースとして世間を賑わせましたが、広告業界にとっても大きなニュースでした。というのも、二人とも複数社の大手企業の広告に起用されており、直接的、間接的に広告にも影響がある可能性が高いからです。
「結婚」というポジティブなニュースでも、場合によっては、一方のファンからの結婚相手側のタレントのバッシングが起こったり、結婚によってタレントのイメージが変わったり(その結果、広告のイメージにも影響したり)——といったこともあるので、タレントを起用している広告主企業、あるいはそれを担当する広告会社は、気が気でないところもあります。
ただ、この二人の結婚は、批判的な声はほとんど見られず、祝賀モードで受け入れられました。多くの広告主企業も、結婚を祝福するメッセージを送り、メディアでニュースとして取り上げられました。
そうした中で、SNS上で「神対応」をして、話題を集めたブランドがあります。
それが、日清食品の「どん兵衛」です。同ブランドは、結婚報道の翌日の5月20日に公式Twitterアカウントから、「おめでとうございます」のメッセージとともに、星野源さんが出演される「どん兵衛」のCMの一シーンを切り取った画像が投稿されました。
