【前回】「SNSの「話題」から読み解く最新トレンド Vol.5 東京五輪はSNSでどう語られたのか? 開会式編(後編)」はこちら
桜美林大学准教授/マーケティング・コンサルタント
西山 守
これまで二回にわたって、東京五輪の開会式がSNSでどう語られていたかについて分析してきました。
SNSの「話題」から読み解く最新トレンド Vol.5 東京五輪はSNSでどう語られたのか? 開会式編(前編)
SNSの「話題」から読み解く最新トレンド Vol.5 東京五輪はSNSでどう語られたのか? 開会式編(後編)
今回は、パラリンピックも含めて、開会前から閉幕後まで、東京2020がSNSでどのように話題になっていたのかを総括してみたいと思います。
下図は、東京五輪・パラリンピックに関するTwitter上の話題量の推移のグラフです。
オリンピック、パラリンピックともに、開会式が最も盛り上がっており、次いで閉会式が盛り上がっています。
パラリンピックの開閉会式は、オリンピックと比べても評判が良く、SNS上でもかなりポジティブな声が目立っていたのですが、話題量としては、オリンピック開閉会式の5分の1程度に留まっています。
開催期間中の1日あたりの平均話題量を見ても、オリンピックが194万件、パラリンピックが32万件となっており、約6倍の開きがあります。
パラリンピックのテレビでの生中継はNHKが中心で、民放ではあまり放映されていませんでしたし、オリンピックと比べると報道も少なかったため、やむを得ないところはあります。
しかしながら、実際に競技を視聴した人は、SNSではオリンピックにも勝るとも劣らないポジティブな投稿していました。
さて、話題を変えて、五輪開催前から開催後に至る流れを見てみたいと思います。
7月8日に100万件を超える投稿がありますが、こちらは緊急事態宣言が発出されたことに伴い、開催を危ぶむ声が寄せられたことによります。
そこから徐々に話題が沈静化しますが、開会式の5日前から再び100万件を超え、再び盛り上がりを見せています。ただし、その内容はネガティブなものが大半です。
7月19日にトヨタ自動車が五輪CMの放映を見送るという報道が、7月20日に開会式の作曲担当の小山田圭吾氏の辞任、7月22日に開閉会式の演出を担当する小林賢太郎氏が解任されるという報道が出ており、開会式当日まで、SNS上には五輪開催を懸念する声で占められていました。
