【前回】「SNSの「話題」から読み解く最新トレンド Vol.5 東京五輪はSNSでどう語られたのか? 開会式編(後編)」はこちら
桜美林大学准教授/マーケティング・コンサルタント
西山 守
商品、映画、広告キャンペーンなど、さまざまな領域で生まれるヒット。その背景には、SNSや多種多様なメディアから情報が拡がり、話題が伝搬していくことでブーム化していく、近年はそんな現象が見られるようになっています。こうした話題になった事例を分析、そのしくみを解説した書籍『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』の著者である西山守さんが、最近話題になった事象について読み解きます。
これまで二回にわたって、東京五輪の開会式がSNSでどう語られていたかについて分析してきました。
SNSの「話題」から読み解く最新トレンド Vol.5 東京五輪はSNSでどう語られたのか? 開会式編(前編)SNSの「話題」から読み解く最新トレンド Vol.5 東京五輪はSNSでどう語られたのか? 開会式編(後編)
今回は、パラリンピックも含めて、開会前から閉幕後まで、東京2020がSNSでどのように話題になっていたのかを総括してみたいと思います。
下図は、東京五輪・パラリンピックに関するTwitter上の話題量の推移のグラフです。
オリンピック、パラリンピックともに、開会式が最も盛り上がっており、次いで閉会式が盛り上がっています。
パラリンピックの開閉会式は、オリンピックと比べても評判が良く、SNS上でもかなりポジティブな声が目立っていたのですが、話題量としては、オリンピック開閉会式の5分の1程度に留まっています。
開催期間中の1日あたりの平均話題量を見ても、オリンピックが194万件、パラリンピックが32万件となっており、約6倍の開きがあります。
YouTubeで公開されている東京オリンピック2020開会式のダイジェスト映像「#Tokyo2020 Opening Ceremony Highlights」
YouTubeで公開されている東京パラリンピック2020のダイジェスト映像「Tokyo 2020’s Most Emotional Moments」
パラリンピックのテレビでの生中継はNHKが中心で、民放ではあまり放映されていませんでしたし、オリンピックと比べると報道も少なかったため、やむを得ないところはあります。
しかしながら、実際に競技を視聴した人は、SNSではオリンピックにも勝るとも劣らないポジティブな投稿していました。
