毎日新聞社は、10月1日に企業広告「聞こえない声:子どもたち篇」の放映を全国で開始した。
同社は、2022年2月に創刊150年を迎える。今回のCMでは、そのキャッチフレーズ「社会をつなぐ、言葉でつむぐ」がテーマになっている。家族の介護や世話に追われる「ヤングケアラー」、生きづらさを抱えた外国籍の子どもたち……。それぞれの課題を背負った子どもたちが周囲に埋もれ、うつむいたまま日々をやりすごしている。そして、彼ら、彼女たちがつぶやく「気づいて!」。その声なき声をきっかけに、報道が動き出す。
「毎日新聞創刊150年の節目となる企業広告は、今の時代にとっての毎日新聞の社会的意義を世に示すものにしたいと考えました。毎日新聞への取材を進める中で他の新聞にはない、毎日だから持っているもの、そのひとつは、社会的弱者への目線だと思いました」と、クリエイティブディレクター 田中淳一さん。
CMでは「日常の中で困難を抱える人たちの声なき声に耳を傾け、社会に伝えていく」という報道姿勢と、それが誰かの行動変容につながるまでについて、毎日新聞の象徴的な記事とをシンクロさせながら伝えている。
「優しい新聞。声の大きな人ばかりじゃなく、声を上げづらい女性やLGBTQ、子どもや外国人、障害者、貧困層など届きにくい声こそ、届けていくことが必要という使命感を持っている記者たち。他メディアがスルーしがちな社会的弱者に気づく眼差し、そこに分入り、単に表層的な事象を伝えるのではなく深掘りする志を持っているのが毎日ジャーナリズム。それこそが毎日新聞が脈々と受け継いできたものだと思います。
毎日が見捨ててしまったら、気づかれない人、こと、ものがあり、放っておくと、社会の中でも理不尽に切り捨てられることにつながるかもしれない。多様性のある社会を育むことを妨げることになるかもしれない。毎日新聞が気づき、取材し、言葉にして伝えていくことで知られていなかった弱者の問題が社会に共有化され、人々をつなげていく契機を生み、社会をつなぎ、その先に共生社会が実現する。弱者への視線を忘れない150年で培われてきた毎日ジャーナリズムの姿勢、その姿勢に込める想いを伝えていくことが大切だと考え企画しました」
