富士フイルム、神水公衆浴場、オリィ研究所など「グッドデザイン賞」大賞候補に

2021年度グッドデザイン賞(主催:日本デザイン振興会)は10月20日、大賞候補を含む「金賞」のほか、「グッドフォーカス賞」「ロングライフデザイン賞」などの受賞結果を発表した。金賞20件のうち5件が大賞候補となるファイナリストに選ばれており、11月2日に大賞が決定する。

ファイナリストの5件は、以下のとおり。

・富士フイルムの移動型X線透視撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO CROSS」

 

・2016年の熊本地震を機に2020年にオープンした、熊本市にある「神水(くわみず)公衆浴場」(ワークヴィジョンズ+黒岩構造設計事ム所+竹味佑人建築設計室)

 

・国土交通省の3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化プロジェクト「PLATEAU[プラトー] 」

 

・オリィ研究所「分身ロボットカフェDAWN ver.β」「分身ロボットOriHime」

 

・台湾発のオーガニックヘアケアブランド「O’right(オーライト)」による炭素削減を目指すサプライチェーンシステム「The best sustainability-oriented organizational adaptation to climate change」。

 

今年度のテーマは「希求と交動」。特にコロナ禍では、さまざまな社会課題に対する人々の切実な願い(希求)に対して、積極的に交わり、社会実装しようと動いていく(交動)ためのデザインを評価するという方針を掲げた。

たとえば金賞には、ゴミ袋製造のミヤゲン(福井県敦賀市)が医療・介護従事者向けに開発した防護服の「easy脱着ガウン」などが入賞している。こういったコロナ禍での課題から生まれたデザインも目立った。「コロナ以前のデザインが大半だった前回からその点が大きく変わっている。応募数も前回(4769件)から1000件以上増え、5835件。受賞数も1608件で増加した」(安次富隆審査委員長)。

齋藤精一副審査委員長も「社会がどのような方向へと進むべきかを指し示し、アクションに結び付けているデザインを評価した。単にSDGsやSociety 5.0を掲げるだけではなく、デザインの“自分ごと化”によって何らかのアクションを起こそうと一歩踏み出すことが必要な時代。その中で知恵を絞っている、2021年だけでは終わらないような取り組みが目立った」と総括している。

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