【前回】「SNSの「話題」から読み解く最新トレンド Vol.6 東京五輪はSNSでどう語られたのか? オリパラ全体編」はこちら
桜美林大学准教授/マーケティング・コンサルタント
西山 守
「マリトッツォ」が話題になっています。マリトッツォとは、ブリオッシュ生地に生クリームを挟んだローマ起源のスイーツパンのことなのですが、「いつの間にかブームになっていた」感があります。
ティラミス、ナタデココ、ベルギーワッフル、タピオカ、パンケーキ、バスク風チーズケーキ……等々、新たなスイーツブームは、時代を問わず、常に発生しています。
一過性のブームで終わってしまうもの、ブームが落ち着いた後も定番として残り続けるもの、タピオカのように、沈静化したかと思うと、数年後に再ブームが起こるものなど、様々なタイプのものがあります。
また、特定の企業や店舗が火付け役になるものもあれば、自然発生的に話題が盛り上がっていくものもあります。
日本におけるマリトッツォブーム発祥の地は、福岡のベーカリーと言われています。しかしながら、各社、各店舗が参入してきており、多発的、視線発生的に盛り上がっています。その意味では、マリトッツォブームには、特定の火付け役、けん引役がいたわけではないようです。
では、どうしてマリトッツォはブームになったのでしょうか?
下図は、Twitter上の「マリトッツォ」を含む投稿数の推移グラフです。
この図からわかる通り、今年(2021年)の6月下旬から、急に盛り上がりを見せています。
あくまでも目安ではありますが、SNS上で「話題になり始めているな」と感じられるのが、1日1万件を超える投稿があったあたりからです。
マリトッツォで、これが実現するのが6月22日なのですが、きっかけは下記の投稿です。
最近話題のイタリア・ローマ発祥のスイーツパン『マリトッツォ』を食べてみました。 pic.twitter.com/ihea7H0snn
— ぼく、シマエナガ。 (@daily_simaenaga) June 21, 2021
本ツイートは2.4万件のリツイート、10.1万件の「いいね」を集めていますが、投稿されたのは、マリトッツォどころか、スイーツとは無関係の、シマエナガ(北海道に生息する野鳥)に関するアカウントからです。
マリトッツォのクリーム部分をシマエナガに模した、かわいらしい画像がTwitterユーザーの注目を浴び、大きく拡散されました。

