【前回】「SNSの「話題」から読み解く最新トレンド Vol.6 東京五輪はSNSでどう語られたのか? オリパラ全体編」はこちら桜美林大学准教授/マーケティング・コンサルタント
西山 守
商品、映画、広告キャンペーンなど、さまざまな領域で生まれるヒット。その背景には、SNSや多種多様なメディアから情報が拡がり、話題が伝搬していくことでブーム化していく、近年はそんな現象が見られるようになっています。こうした話題になった事例を分析、そのしくみを解説した書籍『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』の著者である西山守さんが、最近話題になった事象について読み解きます。
「マリトッツォ」が話題になっています。マリトッツォとは、ブリオッシュ生地に生クリームを挟んだローマ起源のスイーツパンのことなのですが、「いつの間にかブームになっていた」感があります。
ティラミス、ナタデココ、ベルギーワッフル、タピオカ、パンケーキ、バスク風チーズケーキ……等々、新たなスイーツブームは、時代を問わず、常に発生しています。
一過性のブームで終わってしまうもの、ブームが落ち着いた後も定番として残り続けるもの、タピオカのように、沈静化したかと思うと、数年後に再ブームが起こるものなど、様々なタイプのものがあります。
また、特定の企業や店舗が火付け役になるものもあれば、自然発生的に話題が盛り上がっていくものもあります。
日本におけるマリトッツォブーム発祥の地は、福岡のベーカリーと言われています。しかしながら、各社、各店舗が参入してきており、多発的、視線発生的に盛り上がっています。その意味では、マリトッツォブームには、特定の火付け役、けん引役がいたわけではないようです。
では、どうしてマリトッツォはブームになったのでしょうか?
下図は、Twitter上の「マリトッツォ」を含む投稿数の推移グラフです。
