SNSの「話題」から読み解く最新トレンド Vol.7 マリトッツォブームは「ネタ化」がけん引した!?(前編)

【前回】「SNSの「話題」から読み解く最新トレンド Vol.6 東京五輪はSNSでどう語られたのか? オリパラ全体編」はこちら桜美林大学准教授/マーケティング・コンサルタント
西山 守

商品、映画、広告キャンペーンなど、さまざまな領域で生まれるヒット。その背景には、SNSや多種多様なメディアから情報が拡がり、話題が伝搬していくことでブーム化していく、近年はそんな現象が見られるようになっています。こうした話題になった事例を分析、そのしくみを解説した書籍『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』の著者である西山守さんが、最近話題になった事象について読み解きます。

「マリトッツォ」が話題になっています。マリトッツォとは、ブリオッシュ生地に生クリームを挟んだローマ起源のスイーツパンのことなのですが、「いつの間にかブームになっていた」感があります。

ブリオッシュ生地のようなパンに生クリームをたっぷりはさんだ、イタリア発祥のお菓子「マリトッツォ」。(C)123RF

ティラミス、ナタデココ、ベルギーワッフル、タピオカ、パンケーキ、バスク風チーズケーキ……等々、新たなスイーツブームは、時代を問わず、常に発生しています。

一過性のブームで終わってしまうもの、ブームが落ち着いた後も定番として残り続けるもの、タピオカのように、沈静化したかと思うと、数年後に再ブームが起こるものなど、様々なタイプのものがあります。

また、特定の企業や店舗が火付け役になるものもあれば、自然発生的に話題が盛り上がっていくものもあります。

日本におけるマリトッツォブーム発祥の地は、福岡のベーカリーと言われています。しかしながら、各社、各店舗が参入してきており、多発的、視線発生的に盛り上がっています。その意味では、マリトッツォブームには、特定の火付け役、けん引役がいたわけではないようです。

では、どうしてマリトッツォはブームになったのでしょうか?

下図は、Twitter上の「マリトッツォ」を含む投稿数の推移グラフです。

続きを読むには無料会員登録が必要です。

残り 1943 / 2445 文字

KAIGI IDにログインすると、すべての記事が無料で読み放題となります。

登録に必要な情報は簡単な5項目のみとなります

「AdverTimes. (アドタイ)」の記事はすべて無料です

会員登録により、興味に合った記事や情報をお届けします

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ