そんな中、数学を苦手とする学生を対象にAIリテラシー教育に取り組んできたのが前述の中村健二教授だ。所属する大阪経済大学は経済学部、経営学部、情報社会学部、人間科学部を持つ私立の社会科学系単科大学で、学生全員が文系である。「AIリテラシー教育においては、世の中の最新技術に触れさせることを重視しています。2年生で調べた時には最新技術でも、彼らが卒業する頃には、世の中に普及して当たり前の技術になっていることが多いです」。AIを含むテクノロジーが短期間で飛躍的に発展している現在において、学生がゼミナールに入った頃には最新だった技術が、就職活動をする頃には企業担当者に話せるようなよく知られる技術やサービスになっていたり、社会の第一線に出て働くときに使われるようになっているというのだ。「最新技術に触れることは、技術そのものを知るだけでなく、技術開発から社会実装までのスピード感を認識することにもなります」。
私大文系学生が左右する? AIリテラシー教育の行方
更新日 / 公開日