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コラム

「ニュース性」で勝手にてこ入れ

疲れきったダメ営業部長をスター営業部長に!~人を動かす、頭皮に優しい仕事術(1)~

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世の悲哀なる“部長”たちよ。今回は諸君達へのエールである。部長職とは、自分で仕事の結果も出し、そして部下のマネジメントもするというブラックなダブルワークの総称である。率先して、競合ひしめく戦場へ新規案件の獲得へ赴き、獲った仕事は、無事に納品できるように進行をプロデュースし、同時に「おれ、腹落ちできないと動けないんすよね」が口癖の部下のモチベーション管理を行い、スキル皆無なのに自己評価が異様に高い新人をヨイショする。

私も零細企業の社長であるので、その気持ちはわかるつもりだ。もういい年だから、涙は出ないものの、ストレスで毛髪が涙のようにハラハラと落ちてしまうのを感じる。いや、私の頭皮の話はどうでもいいのだ! 今回は一見ダメに見える営業部長を、スター営業部長へと勝手に“ニュース性”でテコ入れするのである。

世の営業部長の頭皮に優しい仕事術を

営業とマネジメントの“コトバ”にニュース性のスパイスを

基本的に営業もマネジメントも「人の心を動かし、行動させること」が重要である。仕事とはこの連続である、人間関係が最もストレスがたまる、だからどんどん禿げ上がってしまうのだ。これ以上禿げ上がらないために、取引先や部下に響く“コトバ”が重要である。

『漫然と口に物を運ぶな。何を前にし、何を食べているのか意識しろ。それが命 喰う者に課せられた責任。義務と知れ』これは、地上最強の生物・範馬勇次郎の名言であるが、これにならってダメ営業部長に告ぐ『漫然とコトバを発するな、商品案内のダイレクトメールや営業資料、部下への声掛けにニュース性を意識しろ』。さぁ、この言葉を実践してみよう。

どんな商品にも日本初、業界初の“唯一性”があると思い込む

プロモーションのアイデアや、メールタイトルの一つひとつをコピーライティングせよ、というのは博報堂の先輩の教えだったが、広告代理店視点では、コトバはコピーライティングすることで輝く。そしてPR視点で考えればコトバに日本初・業界初の“唯一性”というニュース性を与えることで誰もが着目する輝きを帯びるのだ。

私は基本的に、どんな人間も、どんな商品も、ユニークな個性=“唯一性”があると思い込むことにしている。例えば、私がお手伝いした仕事に、世界初のスーツ型作業着『ワークウェアスーツ』がある。この商品はデザインや機能が世界初だったのではなく、このスーツを着ると従業員の言動がスマートになったり、身なりが整う心理学でいう“ドレス効果”という現象が起きたため、世界初“意識を変える”作業着として、唯一性の要素を見出した。

このことによってまずは、高級マンションの管理人の方に導入され、ビル・マンション管理業界で話題になった。業界初の唯一性を見出すことによって、業界から反響を得て次々と営業を仕掛けることができる。これがニュース性を用いたという『広報営業』というメソッドである。

本質的にはBtoB企業の場合の反響ターゲットは“取引先” 

世界初、業界初の唯一性を発見できたら、テレビ露出も夢ではない。テレビに出ると法人の大口取引がグっと増える。例えばテレビ東京系の「ワールドビジネスサテライト(WBS)」のトレンドたまごというコーナーでは常に新規性・唯一性のある商品を募集している。ググるとFAXとEメールアドレスが出てくるので、部長の諸君は是非アクセスしてほしい。先程のワークウェアスーツもワービジに取り上げられ、法人のユニフォーム採用の問い合わせ電話が鳴り響いたことは言うまでもない。

ここまでの成果を残せば、スター営業部長としての資格は十分だ。ただBtoB企業の営業部長の方は、ウチの商品はテレビやメディアには絶対露出しないよ、と仰る方も多いだろう。この広報営業というメソッドの本質はメディアに出ることではない。業界内で話題にすることであり、BtoB企業の場合の反響ターゲットは“取引先”になる。取引先へのダイレクトメールや営業資料に、業界初の“唯一性”をコトバで入れ込み、取引先の反響を獲得して欲しい。

広報営業メソッドは、お茶の間のテレビで自社商品を取り上げてもらうことも夢ではない

次回は営業部長のもうひとつの悩みである部下を動かすコトバの武器化を行いたい。