「あなたに会えたお礼です。」(サントリー)
「年賀状は、贈り物だと思う。」(郵便事業)
「今⽇を愛する。」(ライオン)
「21世紀に間に合いました。」(トヨタ⾃動⾞)
「やがて、いのちに変わるもの。」(ミツカン)
「美しい50歳が増えると、⽇本は変わると思う。」(資⽣堂)
「きたえた翼は、強い。」(全⽇空)
――数多ある広告の中でも、おそらく多くの人の心に残っているであろう、これらのコピー。書いたのは、コピーライター 故・岩崎俊一さんだ。
東京コピーライターズクラブ(TCC)は、2020年に同クラブの殿堂である「TCCホール・オブ・フェイム」を岩崎さんに顕彰。それを記念し、岩崎さんのこれまでの仕事とその人となりを知ってもらうべく、12月15日より「岩崎俊一 幸福を見つめるコピー展」を東京・銀座ナカノギンザギャラリーで開催する。
「まさに”まるごと岩崎俊一“という展覧会になると思います」と話すのは、次女でコピーライターの岩崎亜矢さん(サン・アド)。今回、岩崎俊一事務所で共に働いた、元・弟子である岡本欣也さん(オカキン)と本展の企画に参加している。
展示にあたり、亜矢さんは『コピー年鑑』に掲載された600を超える岩崎さんの仕事の中からコピーを選び出した。
「父のTCC賞受賞数は決して多くないのですが、年鑑に掲載されているコピーの数は3位に入ると聞いています。けれど、いざセレクトを始めたら、父や私がそれぞれお気に入りだったようなコピーが、意外と年鑑に掲載されていなかった、ということに今回あらためて気づきました。父から“これを選ばなかったのか”と言われないよう、セレクトはとても慎重に行いました。」(亜矢さん)
亜矢さんが選んだコピーを確認した岡本さんは「すごくしっくり来ました。事前に選ぶ基準を決めたり、申し合わせをしたわけではないけれど、亜矢さんが選んだコピーはまさに僕もみんなに知ってほしいと思っていたものばかりでした」と話す。
