「本記事では、宣伝会議「編集・ライター養成講座」42期修了生の上野純子さんの卒業制作を紹介します。
既存の枠にとらわれず、唯一無二の自分を生きてゆく。漫画家がアーティストとして生きていくことがSNSの発達により可能になってきた。日本最後の輸出産業は漫画、アニメ、ゲームと言っても過言ではない昨今、漫画家たちは何を見ているのだろうか。
インスタグラムメッセージから始まったBMWとのコラボレーション
「初めてDMを見たときは冗談かと思ったよ。」当時を思い出してショーンさんが笑った。昨年暮れ、インスタグラムのアカウント宛に1通のDMがきた。文面は全て小文字、文章としてもあまり成立していないその相手とのやりとりを始めた。話を進めていくうちに、相手はドイツの大手広告代理店であり、クライアントはBMWであることが分かった。
BMWは2020年からesportsチームのスポンサーをしており、大会での露出などはしていたものの、特徴的なマーケティング活動は手つかずにいた。そこに目をつけたドイツ広告代理店のJung von Mattが「esportsファンの中心であるGenZ世代に刺さるマーケティングをするためには、彼らの好きなカルチャーに寄り添うべき。esports選手を登場人物にした冒険漫画はどうか。」と提案した。
「クレイジーなアイデアだと思ったよ。だって主人公が30人いる漫画ってある?しかも全員ファンのついている実在の人物だから気をつかう。さらに毎週1話をネットで公開したいって、無理だと思った。」とショーンさんは続ける。
