音楽コンクールの裏側 ― 失われる「良い」音楽 ―

審査員に無意識下で働きかける肩書きバイアス

仮に審査員が「自分は公正な審査をする」と硬く意志を持っていても、自然と穿った評価になってしまうことがある。それが演奏者がもつ肩書きにより、無意識のうちにかかってしまうバイアスの存在だ。

一般的なクラシック音楽のコンクールは、何度かの予選のあと本選へと進む。2021年に前述のショパン国際ピアノコンクールで2位入賞となった反田氏は週刊朝日とのインタビューで、同コンクールの各予選で評価される面について語っている。一次予選では技術面、二次予選では芸術面、三次予選では将来面、ファイナルではその全てが評価されるとのこと。仮に本当にそのような審査基準だったとして、その各予選は本当に音楽面だけで評価されているのだろうか。

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