そこに集まったのは、細川美和子、田辺俊彦、保持壮太郎、菅野薫、東畑幸多(保持氏のみ2022年3月に参加)という5人のクリエイター。彼らが独立して最初に立ち上げた企画が、この「(つづく)」というあり方と場です。それぞれが個人としての会社を持ち、インディペンデントとして活動しながら、志と場を共有する――そんなクリエイティブの新しい働き方を提案しています。
(つづく)の皆さんによるコラム「(つづく)道をつくる。」開始にあたり、序章として誕生までの話を5人に聞きました。
この先、後悔しないために、ちゃんと悩もう!
―― (つづく)の皆さんは共に40代で、電通では同じ部署で仕事をしてきました。
菅野
厳密には少しずつ年齢は違いますが、みんな同年代という感じです。田辺さんと僕は同期ですね。そして、みんな最後の2年間は同じ部署に在籍していました。
東畑
同じ年代で、同じようなキャリアを生きてきて、同じような立場のみんなの中にふつふつとあったのが、この先どうしていくか。このまま会社に残るのか、環境を変えるのか…。そういう話が自然発生的に始まりました。
細川
独立については前から思いを巡らせていた人もいれば、いろんな話を聞くうちに決意した人や、最後まで悩んでいた人もいて。それぞれの考えがありました。
菅野
僕らは電通という大きな会社組織の中で20年近く仕事をしてきました。そもそも仕事のやり方を勉強させてもらって社会人として成長させてもらって、大きな会社でしか出来ないような仕事の機会やチャレンジをたくさんさせてもらってきた。仕事も充実していたので、会社でやれることに不満があったわけではないんです。ただそれ以上に、広告会社社員に期待されるのと違うタイプの新しいチャンスや仕事の仕方に出会いたい、自分の可能性を広げたい、単純にもっと自分がワクワクしたい、そういう気持ちが強くなってきて…。打ち合わせの前後や、ばったり席で会ったときの雑談の時間、一緒に食事をしたときなど、このメンバーと会ったときにそんな話がよく出るようになったんです。
田辺
なんだかんだ1年以上、話し続けましたね。みんなで悩みや考えを共有して、時間をかけて話せたことは大きかった。
保持
僕はタイミングでいうと少し遅れてそういった会話に加わりましたが、非常に自分の想いともシンクロすることも多く、結果的には一番早く決断に至ったかもしれません。
東畑
僕は、定年まであと14年。微妙に時間があるようで、微妙にない。ここから自分をどのように仕事や社会に役立てていけばいいのか、考えなくてはいけないタイミングを迎えていました。そんなときに、同じような悩みを持って、同じような志を持っている人たちがそばにいて…。
