ゲストで登壇した澤円(さわ・まどか)氏は、DXや組織マネジメントなど幅広い領域のアドバイザーやコンサルティングなどを行っている。そんな澤氏は、周りの人を日常的に「祝う」ことの重要性を自らのVoicyなどで発信している。「ホメ」も「祝い」も、自らの能動的な働きかけで、周りの人間関係や社会の空気を変えていくアクションだ。イベントではお2人にその実践のヒントを語ってもらった。
ダメ出しは誰にでもできる、権威ある人こそホメ出しを
澤田
:まず僕がこの本を書いたきっかけとして、今が「大ダメ出し時代」だからというのがあります。そもそもダメ出しの大元にあるのは、ジャッジする感覚なんですよね。
澤
:ジャッジという行為は自分のことを賢いと思いがちだし、立場が上に感じると思うんですけど、実は誰にでもできる簡単な作業ですよね。
澤田
:そうなんです。だからこそ、誰かを評価する立場にある人は「ホメ出し」をするべきだと思っています。以前ラジオで共演した女性のお話で、「私は自分のそばかすがコンプレックスだったけど、メイクさんに可愛いそばかすですねと言われたのをきっかけに気にならなくなった」という話があったんですね。つまり、メイクさんという美の権威の言葉が女性の自信につながったんです。
澤
:何に対してもまずホメたり、ポジティブに受け取るのは大切ですよね。それを実践した話として、実業家の松下幸之助さんの逸話があります。松下さんはどんなとんちんかんなアイデアを出されたとしても「あんさんそれおもろいな」と最初に言っていたそうです。そうすることで、社員も「この人は受け入れてくれる」という認識になるので、みんなどんどんアイデアを出そうという気になっていたみたいです。
澤田
:
コミュニケーションは世界観と世界観が合わさっていくこと
だから、その時に権威があるほうに弱い立場の世界観を吸収してしまうと、弱い立場の人のよさは発揮されない。先ほどの松下幸之助さんのお話は、言葉という道具を企業の中でうまく活用した例ですよね。私たちは持つ道具によって、世界の捉え方が変わるから。散歩している時にデジカメを持っているかどうかで、世界の捉え方、見方が変わったり。


