文・古川裕也
いまクリエイティブがほんとうに生み出せるものとは何か?
3年ぶりにリアル開催だったCannes Lions International Festival of Creativity(以下 カンヌ)。
オンライン開催でわかったのは、
ライブでなければ誰もセミナーを見ない。
アワードもオンラインで発表されるだけだと、それほどうれしくない。
他のアワード・フェスティバルと違って、よくも悪くもカンヌとは、リアルな「場」であり、「人の集まり」だということ。そこから生まれる祝祭力のようなものこそ、カンヌ独自の魅力だということ。繰り返しますが、よくも悪くも。
今年は6月20日月曜から24日金曜までの5日間開催。火曜日2日目の夜、久しぶりに授賞式に参加した。
2時間で7カテゴリーを消化するタイトな時間割なので、何がシルバーかブロンズかちゃんと把握するのがむつかしい。てきぱきゴールドが流れ、受賞者表彰・撮影。グランプリが流れ、受賞者表彰・撮影。それを繰り返す。みなさん参加された3年前のあの機械的な進行がさらに30%くらい速度が上がっている感じ。
要は、グランプリとゴールド40本くらい立て続けに見るだけの2時間。それも会場であるパレの一番大きいリュミエール・シアターで。満席の1階席でみんないっしょに大スクリーン大音量で。