書籍『わたしの言葉から世界はよくなるコピーライター式ホメ出しの技術』の発売を記念して、著者の澤田智洋氏と「夢をかなえるゾウ」シリーズなどで知られる作家の水野敬也氏によるトークイベントが開催された。ときに大いに脱線しつつも人をホメることについて考えた、笑いの絶えない2時間となった。その模様をダイジェストでお届けする。
草の根活動で世界は変わるのか
澤田
:水野さんってホメるのがめちゃくちゃ上手いし意識してますよね?たぶん人生のどこかで戦略的に「人をホメよう」と考えたんじゃないかと思ってるんですよ。以前お話させてもらった時も、どんなアイデアもめちゃくちゃホメてくださったのを覚えてます。
水野
:本当ですか?皆さんお気づきでしょうけど、いま僕すでに澤田さんにホメられてます。
澤田
:(笑)
水野
:確かに僕たちは普段からホメ出しをすることが多いけど、本当に叩く人は多いですよね。
澤田
:本当に多いです。でも気持ちはちょっとわかります。というのも、食欲や睡眠欲みたいに「ダメ出し欲」みたいなのが多分あって、脳のデフォルトとしてものすごく快楽物質が出るようになっているから。スポーツ関係の仕事をしていると、指導者の方から「つい怒ってしまう」という相談が来るんですね。なぜ怒ってしまうのか聞いたら、「自分が怒られてきたから」とか「シュンとしてる子どもを見るとちょっと気持ちよくなる」みたいな回答もあって。確かに脳のデフォルトかもしれないけれど、脳にそのまま従ってしまうのってどうなんだろう?と思いますね。
水野
:そうですよね。人間として成熟していきたいですよね。今日は、澤田さんにホメ出しについて質問してみたいんですよ。本の中で「ホメ出しで世界が変わる」って書いているじゃないですか。僕も本当にそうなってほしいとは思いつつ、どこかで草の根活動っぽく感じてしまって。「本当に世界は変わるのかな」って不安になっちゃうんです。ホメることは社会を変えていくと思いたいんだけど、そこはどう考えたらいいんでしょうね?


