帝京大学は9月12日から、「やりたいことが見つからない学生を歓迎します。」というキャッチフレーズを掲げた、受験生向けの応援広告を掲出した。大学の活動や特徴をロゴマーク化した35種類の「TEIKYO LOGOS」を用いることで、キャンパスライフを通じて、やりたいことのヒントを見つけようと伝えている。
やりたいことはまだなくてもいい
帝京大学は1966年、東京・八王子に開学。在籍学生数は約2万人(2022 年5 月現在)と、国内有数の総合大学だ。“スポーツが強くて規模の大きい大学”というイメージが強いが、5 つのキャンパス、10学部33学科11研究科を有し、さまざまな学びの場を提供している。
今回はその多様性を伝えつつ受験生を応援するため、「帝京大学はやりたいことが見つからない学生を歓迎します。」をキャッチフレーズとした広告を展開した。電通のクリエイティブディレクター 廣瀬大さんは本企画の狙いについて、次のように説明する。
「今の高校生たちにとって“やりたいことに挑戦しよう”という、夢があって当然というプレッシャーが、重荷になっているのではないかと思いました。帝京大学には多様な選択肢があり、入学後にも新たな挑戦ができる環境が整っている。まだ何者になりたいのかわからない⸺そういった多くの受験生たちの本音を受け止め、応援している姿勢が伝わる広告を目指しました」。
ロゴ化の企画にあたっては大学内でヒアリングを重ね、2019年10月には各キャンパスでワークショップやアンケートを実施した。その中で、「トップエンジニアが先生として教えている」「裁判をシミュレーションできる教室がある」「外国語学部は全員留学が可能」など、まだあまり知られていない個性や他大学にはない特徴が多数浮かび上がった。「これらを受験生やその保護者、高校の進路担当教員の皆さんに伝えるため、ロゴで表現しようと提案しました」(電通アートディレクター 案浦芙美さん)。
35種類のロゴを長期戦で制作
ロゴの制作にあたっては、活動やそこに関わる人々の多様性を踏まえ、あえて色やフォントの統一感を排除した。選んだ切り口も、キャンパスで人気のある場所、部活動やサークル、教育理念、学食の人気メニューなどさまざま。たとえば年間約21トン消費されるほど唐揚げが人気だという学食は、スーパーの割引シール風に。また強豪であるラグビー部は「心も体も強いぞ!帝京お兄さんズ」とポップに表現するなど、高校生から見た親しみやすさを意識した。

