【開催決定】
「平行線マンガ」が生まれるまで
倉成
:萩原さんの存在を僕が知ったのは、もう24年くらい前、大学院に在籍しながら宣伝会議のCMプランナー講座(黒須美彦クラス)に通っていた頃です。そのクラスで「萩原さんという天才プランナーがいる」って話を聞いて。それこそ僕にとっては伝説みたいな存在でした。その後、萩原さんは黒須さんと一緒に博報堂から独立して、シンガタに移って。シンガタにいる時に、1回仕事をしましたよね。
萩原
:ケンタッキーのCMの仕事でしたよね。それが初めましてでしたね。
倉成
:そうそう。ケンタッキーを食べたくなるようなシーンを小出しでつなげていく企画で。僕はいわゆるCM制作作業をしたのはそれが最後だったので、萩原さんにもずっと会わない期間があって。
−−そして、著者と挿絵の作者として再び出会ったんですね。
倉成
:そうです。挿絵を誰に頼もうか?と話し合う中で、萩原さんの名前が挙がって。「それは面白いんじゃないですか!」とお願いして、OKもらえたという。
萩原
:もちろん、大喜びで受けさせていただきました。
倉成
:萩原さんにお願いすると、全くどういう形になるかわからないけど、そのコラボレーションは面白そうだと思って。
−−萩原さんは、急に「倉成さんの連載に挿絵をつけてください」と依頼が来て、どう思いましたか?
萩原
:どんな話が書かれるか全然わからないけど、きっと頭がいいことを書くからヤバイぞ、とは思いました(笑)。最初の編集さんとの打ち合わせで、どんな内容が来るかもわからないし、なぞった絵を描いてもしょうがないし、絵でネタバレするのもよくないねと。それで、タイトルをもらって、それを頼りに考えようと思ったんですよね。
−−そして、萩原さんはCMコンテを描き慣れていらっしゃるので、4コマ漫画でどうでしょうと。
倉成
:そんな知らないやりとりがあったんだ。
萩原
:ネタがわからないから、毎回ドキドキしながら描いてました。
−−「平行線マンガ」って、誰が言い始めたんですか?
萩原
:連載が始まって、私のSNSでお知らせをしたら、「内容に合ってるんだか合ってないんだか、平行線な感じがいいよね」と言ってくれた人がいて。倉成さんに伝えたら、そこを面白がってくれて。
倉成
:どこまで行っても交わらない、みたいな(笑)。実際、あのマンガ、萩原さんどうやって考えてたんですか?
萩原
:うーん、CMとそんなに考え方は変わらないと思います。でも、こういうのは自分がどこかで経験したものからしかアイデアは来ないですよね?だから、きっと身を削っていると思う(笑)。

