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コラム

嶋野・尾上の『これからの知られ方(仮)』

第11回 ストーリーで服を売る大学生「10dom」(後編)

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【前回】「第10回 ストーリーで服を売る大学生「10dom」(前編)」はこちら

これから新たに商売やビジネスを(主にネットで)始める方に向けた「知られ方」についての連載です。知られるための第一歩として、とても大事なのが、自分のセールスポイントの中から「何を強みとして選ぶか」。このコラムでは、広告業界でさまざまな成功事例をつくってきた広告クリエイターの2人が、個人の商売・ビジネスでの「強みの選び方」と「その知られ方」について、役立つ情報を発信していきます。


ご感想などはこちらから:『嶋野・尾上の「これからの知られ方」』へのお便り

嶋野前編面白かったですね。TikTok売れって再現性ないって思ったんですが、タクマさんのやり方見ていたら、ものすごく地道だけどきっちり分析をしているから、自分のものにできてましたね。

尾上:すごかったです。

嶋野:私たちが広告年鑑とかで過去の広告を見たり、いまSNSで流行ってるものを常にチェックするのと同じことですね。

尾上:僕もTikTokちゃんと見ようと思いました。

嶋野:ところで尾上さんはTikTokはやらないんですか?ダンスとか得意じゃないですか。

尾上:全然ダンスとかやったことないですw

嶋野:鹿鳴館でダンスとかやってそうな顔立ちなのに…

尾上:昔は伊藤博文に似てるとかよく言われましたね、そういえば。釈然とはしていませんが。では後編パート、お願いします。

TikTokは「再生回数ゼロ」が絶対にない

嶋野:後編は徐々に「知られ方」をテーマにした質問に移っていきます。タクマさんが、TikTokをメインに使っている理由から教えてもらえますか。

タクマ:自分がビジネスをはじめようとした頃、ちょうど流行っていたというのがひとつ。もう一つは、以前YouTubeやっていたときに難しさを感じていたから。YouTubeって、ゼロからイチをつくり出すのがすごく難しいんですよ。

TikTokってゼロからイチがすごく簡単で、100~400回は絶対再生されるんです。YouTubeだとゼロ再生なんてざらだと思う。TikTokはそれがなくて絶対に100人に見てもらえるのが最強だと思って。

嶋野:服の製作過程をストーリーテリングで配信しようと考えたのは、なぜなんですか?

タクマ: 大学1年の時に西野亮廣さんの『革命のファンファーレ』を読んで、自分の人生が変わったんです。この本を読んで、ストーリーテリングって大事だと感じて。そのあと「Nizi Project」が流行ったのを見て、これもストーリーテリングだなと気づいたり。何か新しいことをはじめたり、新商品を出したりするときにはストーリーテリングが強いし、自分に合っていると思います。

嶋野:ストーリーテリングを考える上で意識していることはありますか。

タクマ:ストーリーテリングって波があればあるほどバズると思っているんです。だから、打ち合わせの動画を出すとしたら、あまり順調な打ち合わせだと、実は動画の構成上うまくいかない。うまくいかなかったところをわざと使って動画に波をつくったり、“1回下げる”のを意識してます。

嶋野:製作のストーリーを出すのは、ある種自分が売り物になって行くことだと思いますが、そこは抵抗はなかったですか?

タクマ:そこはないです。有名人になりたい、みたいな気持ちが強いタイプなので。

尾上:ショップはBASEでつくっていますけど、ここではあまり商品の説明をしていないですよね。それは意図があるんですか。

タクマ:BASEでつくったショップはあくまで購入の場で、そこで選択肢を示したりして滞在時間を長くしたくないんです。衝動的に買ってほしいので、無駄なことは書かない。商品情報はインスタに書いています。最近はBASEでつくったショップに直接来る人も増えたので、サイズチャートと素材は載せてます。
 

BASEでつくったショップの商品ページ

嶋野:BASEは購入の場、インスタは商品説明をする場、TikTokはストーリーテリングの場と使い分けているということですね。さらにほかのSNSも使おうと考えることはありますか?

タクマ:TikTokだけを伸ばせばいいと思っています。YouTubeはもうやめているのでやらないし、インスタを伸ばす方法は内部のエンゲージメントと外部からの流入の2つがあると思うんですけど、周りのプロたちも難しそうにしているので、だったらTikTokに時間を割いたほうがいいなと。

実は、2021年12月にアップしたTikTokの動画が100万回再生されたんです。その翌日でフォロワーが1300人から1万2000人に一気に増えたんですよ。インスタグラムで1万2000人に増やすのって1年くらい余裕でかかると思う。それをTikTokで1日で体験したので、TikTokからの外部流入で、ほかも増やせばいいんじゃないかなと思っています。

嶋野:あくまで伝える場の主軸はTikTokということですね。

最初の「2秒」で引きつけることが一番大事

嶋野:ややテクニック的な話になりますが、TikTokの投稿で気をつけていることはありますか?

タクマ:他でも言われていると思いますが、YouTubeでいうところのサムネ、最初の2秒が大事です。自分もまだこの2秒が弱くて再生が取れないときもあります。嘘をつかないで、視聴者を釣らないけど、何だろ?と思わせる強いタイトルをつける。難しいけれどここが一番大事です。

嶋野:いま上げている動画だと、例えば「デザイナーが天才だった」なんかはタイトルが強い?

@10dom_takuma この発想はない #メンズファッション #ストリート #モヘアニット #秋冬コーデ #おすすめ ♬ オリジナル楽曲 – 10dom【タクマ】

タクマ:そうですね。でもそこが強すぎると、コメントでわっと書かれたりするので、いい塩梅を見ていきます。

嶋野:逆に、これはやらないようにしている、というのは?

タクマ: TikTokに限らず、他の人のファッションを否定したり、○○を着ている人はダメとか、人を否定することはしないです。自分の思想や考えに反するので。

TikTokって、ユーザーからしたら見たくない動画も流れてくるから、アンチのコメントもつきやすいんです。だからTikTok内のコメントには基本、反応しないようにしてます。インスタはほぼ90%ファンの方だと思うので返信しています。だからTikTokはメンタル弱い人にはあんまり向いてないかもしれないですね、正直。

嶋野:なるほど~。インスタはファンの人がわざわざ見に来てくれているから丁寧に対応するけれど、TikTokやTwitterのような受動型のメデイアではコメントしないってことですね。その判断はすごくわかりやすいですね。

タクマさんは、うまく行かないときもさっきの動画分析のように、商品よりも先に「見せ方」「売り方」の方に目を向けますよね。そこが面白いと感じます。

タクマ:「200日後に洋服を販売する素人大学生」の投稿をしていたとき、100日目はファンが0人だったのに、200日目に1万円で出したTシャツが100着全部売れたんですよ。ただ、買ってくれたお客さんにはとても申し訳ないんですけど、現在と比べたらクオリティはかなり低いです。でも、それが売れたってことは、服のクオリティはもちろん大事だけど、「カッコよくなくても服って売れるんだ」と気づいたんです。

東京の街を歩いていても、みんながカッコいい服を着てるわけじゃない。好みの差はもちろんあるけど、洋服に気をつかってない人もいる。だから、カッコよければそれに越したことはないけど、売り方が大事だなと気がついていたんで。

嶋野:なるほど、その経験は大きいですね!

毎回買ってくれるコアなファンを100人つくりたい

尾上:TikTokはずっと続けていきたいと思っていますか。それとも、やらないで済むならその方がいいとか?

タクマ:BASEでつくったショップに商品をアップロードした瞬間に売れるのが、最高の状態だと思います。でも、それが無理だからTikTokをやるし、事前にマーケティングもする。

「100着限定」を変える予定はありません。毎回買ってくれるコアなファンを100人つくれたらいいと思っているんです。それがある程度できれば、TikTokを少しずつ減らしていって、BASEでつくったショップに上げた瞬間に売れる状態に持っていけるかもしれない。それでも、ある程度はTikTokをやり続けていく必要があるかもしれません。

嶋野:今後は、ずばり、何をしていこうと考えていますか?

タクマ:2023年度は、他のブランドとコラボとポップアップをする予定です。洋服を作る裏側はいったん少なくしていって、ポップアップの準備の裏側やコラボの会議の様子を載せる形でグレードアップしていきたいなと思っています。ずっと同じだと飽きられてしまうので。

嶋野:あくまで、裏側を見せたり、つくる過程を共有して応援したくなる気持ちをつくる、という根幹は同じなんですね。

タクマ:そうですね。TikTokって「○○している人」というのが強いと思うので、そこはブラさないようにしたい。あの人はオムライスつくっている人だよね、とか、コスプレの人だよね、と固定させた方がいいから。洋服つくっている人、ブランドの裏側を見せてくれる人だよね、という部分は変えずにレベルを上げていくイメージです。

嶋野:本当に、めちゃくちゃ考えてますね!今日は面白かったです。

尾上:すごく面白いお話でした。引き続き楽しみにしております。

タクマ:考えるのだけは好きなんで(笑)。こちらこそ、ありがとうございました!

 

尾上:いやー、本当に勉強になりましたね。

嶋野:好きなものをつくることと、ちゃんと知られることを両方とも意識していましたね。

尾上:TikTokという場所の独自性もしっかり意識されてましたし。同じ動画でもYouTubeとは違うって決断もよかったなと。自分をここまで客観視できるものかと。

嶋野:これだけ知られてても100着以上にしようとせず、しっかりブランドづくりを貫いてますね。今後も展開が楽しみです。

尾上:では今回の「これからの知られ方」はここまでです。それでは次回!

嶋野:次回あるんですか?

尾上:わかりませんが、次回!


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