山口県下関市を拠点とする山口フィナンシャルグループ(以下 YMFG)は、2022年11月に同グループのブランドスローガン「この世界で。この街で。このじぶん。」を発表。特設サイトの公開と共に、山口県で生まれ育った青年と東京生まれの女性を主人公とする新しいブランドCMの放映を開始した。
ブランドCMの主人公の一人は、祷キララさん演じる、東京で生まれ育った22歳の「イノリ」。東京という街になじめず、世の中の東京中心の考え方にもずっと違和感をもっていたイノリは、旅行で訪れた山口で今まで感じたことのない心地よさを感じる。そして山口に移り住み、新たな生き方を模索しはじめる。
もう一人は、青木柚さんが演じる山口で生まれ育ったユズ。東京で就職活動をしていたある日、大企業に勤めている先輩を訪ねたときに言われた一言がきっかけとなり、地元山口に戻り、仕事を始めることを決断する。
ブランドスローガン、CMをはじめ、今回YMFGの新たなコミュニケーションを手がけたのは、クリエイティブエージェンシー タグボート。クリエイティブディレクター 川口清勝氏と多田琢氏は、この仕事が始まった経緯を次のように振り返る。
「ある日、YMFGの椋梨敬介社長と広報室長が山口県からタグボートにやってきました。その時は、まずお話がしてみたい、と。なぜ東京の我々のような集団に興味を持ったのかが不思議でしたが、社長は我々が電通から4人で飛び出したこともよくご存知でした。そしてその姿にずっと共感していた、と話してくれました。そのあと、今のYMFGをどう捉えていて、今後どうしたいのかという思いもたっぷりと聞かせていただきました。僕らは山口から今後の日本の未来を語る社長の姿に勝手に大好きな吉田松陰を重ねていました。
話していると、重要な部分でお互いが共感していくのがわかりました。YMFGは銀行というイメージの枠にとらわれない方が良い。“地域密着”はとても大切であるが、今の時代はその言葉が仕事を限定するのではなく、地域の先に日本、世界が地続きでつながっていて、全ての人間の未来と関係している、ということ。そして全社員が誇りを持って共有できるバイブルのような広告ができると良いのではないか、という話をしました」
