「明るいCMプランナーの会」メンバーが選ぶ、ベストテレビCMは?

CM プランナー 福里真一さんを中心に、第一線で活躍するCM プランナーが集まる「哀しきCM プランナーの会」。2019年から毎年年末に開催し、22年で4回目を迎えました。なんと今回から「明るいCM プランナーの会」と改名。電通の杉井すみれさんをゲストに、8人で4つのテーマについて話し合いました(本記事は月刊『ブレーン』2023年3月号からの抜粋記事です)。

ここではテーマのうちのひとつ、メンバーの選ぶ「2022年のベストテレビCM」は?についての内容をお届けします。

■登場者

(左から)ワンスカイ CMプランナー/コピーライター 福里真一さん、電通 第2CRP 局 CMプランナー 大石タケシさん、神田商事 クリエイティブディレクター/ CMプランナー 神田祐介さん、電通 CM プランナー/コピーライター 栗田雅俊さん。

(左から)電通 コピーライター/ CMプランナー 杉井すみれさん、博報堂 CMプラナー 鈴木智也さん、電通 クリエーティブディレクター/ CMプランナー 山本友和さん、HAKUHODO CABIN CMプラナー/クリエイティブディレクター 吉兼啓介さん。

2022 年のベストテレビCM は?

福里

:続いてそれぞれの「ベストテレビCM」の発表に移りましょうか。

杉井

:私は少し遡りますが、「ひらパー」(ひらかたパーク)の「ジェームズはキャシーの方を」篇です。

京阪電気鉄道/ひらかたパーク「ジェームズはキャシーの方を」篇。

「プールサイドの読書は、だいたいウソ。」というコピーの通り、岡田准一さんがプールサイドで読書をしているけど全然頭に入っていない人を演じていて。企画はぶっ飛んで見えるけどそこにはたしかに共感があると思いました。あと一見、商品と離れているように見えて、このCMではひらパーのプールが魅力的に見えるんですよね。ふざけているけど、商品訴求もきちんとしているお手本にしたい15 秒CM だと思いました。

福里

:私はプールサイドでも、けっこう真剣に読書してましたけどね(笑)。

鈴木

:僕は福里さんがやられているユニクロの「ぼくのユニフォーム」篇です。

ユニクロ「Life とWear/ぼくのユニフォーム」篇。

このシリーズは各篇異なる桑田佳祐さんの曲が当てられているつくり自体も好きですが、特に斎藤佑樹さんが新しいユニフォームを探すこの回が好きでした。「感動パンツ」という商品との接着もいいですし、新たな門出を応援する着地がすばらしいと思いました。

大石

:僕は新日邦「808FACTORY」という工場野菜のCM シリーズの「ひっこした日」篇です。新しい街に引っ越してきた女性が、まだ片付いていない部屋で、レタスにハムカツを挟んで食べる。そこに入る「はじめての街のハムカツはちょっと分厚目でした」というナレーションが、わりと商品に近いコトバなのに、すごく豊かで、効いてて。

新日邦/ 808「365日/808」シリーズ「ひっこした日」篇。

スタッフを見たらCD がアートディレクターの水口克夫さん、コピーが谷山雅計さん、水野百合江さんというチームで。CMプランナー不在でこんな素敵なCM つくられると怖いなぁ~怖いなぁ~です(笑)。

福里

:こういうCM は、大石くんも得意そうですけどね。

栗田

:僕は大塚製薬「カロリーメイト」の「Midnight Train」篇ですね。

大塚製薬/カロリーメイト「Midnight Train」篇

これはアレンジを加えたYOASOBI の曲を使っているんですが、ターゲットにより近付き、愛される演出だと思いました。CM というと映像やストーリーに注目が集まりがちですが、音楽の力はテーマとしてもっと重要視されてもいいんじゃないかと。

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