米連邦取引委員会は4月10日、Amazon.comで「ナンバーワン・ベストセラー」などの偽装をしたとして、サプリメントなどを販売するバウンティフル・カンパニーに60万ドル（約8000万円）の支払いを命じる同意命令を承認したと発表した。命令の内容は2月に公表し、パブリックコメントを収集していた。

バウンティフル・カンパニーは、別の商品の評価を転用する「レビューハイジャック」と呼ばれる手法で、Amazon.comに掲載している商品ページの商品評価やレビュー、「アマゾンおすすめ（Amazon’s Choice）」「ナンバーワン・ベストセラー（#1 Best seller）」を偽装していた。商品のバリエーションを登録する機能を逆手に取り、過去の商品についた評価や、過去に取得した「アマゾンおすすめ」などを、あたかも新商品が獲得したものかのように見せかけていた。

Amazon上では、バリエーション関係にある商品は商品ページを共有し、通常は色やサイズ、量、味などの選択肢を示すために用いられる。商品ページには、バリエーション関係にある商品の評価の総数や5段階評価の平均、レビューが表示される。

FTCが収集したバウンティフル社の社内資料には、「新商品が売れていなかったため、早期に売り上げを伸ばすために、評価とレビューで後押しして知名度を高め、〔過去の商品から〕『アマゾンおすすめ』などのバッジを“借り”た」ことが記されているという。

「レビューハイジャック」に対してFTCが同意命令を出すのは初という。バウンティフル社は米ニューヨーク州ボヘミアを拠点に、栄養補助食品を製造している。商品はアマゾンに卸し、販売は同社がしている。