「ガリガリ君の当たりつき」をめぐる逡巡をそのまま広告に、社長・社員のナレーションリレーによるCM開始

赤城乳業は、4月25日に日経新聞に新聞広告30段を出稿。60秒のテレビCMを自社サイト、およびYouTube公式チャンネルで公開した。その広告には「当たりつきやめるのをやめました。」というメッセージと「ガリガリ君」でおなじみの「当たりスティック」のビジュアルが掲載されている。


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キャプション

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「赤城乳業さんから、『ガリガリ君の当たりつきをやめることになった。それを告知する広告キャンペーンを考えてほしい。(そもそも、どう思いますか?)』というご相談をいただきました」と、話すのはクリエイティブディレクター 古川雅之氏。

1981年の発売当初から「ガリガリ君」のアイデンティティであった「当たりスティック」。それを買ったお店に持っていくと、もう1本無料でもらえるといううれしい仕組みになっている。ところが、それをやめるという話し合いが、赤城乳業社内で進んでいたのだ。

「え!なんで!?と驚きながらも、くわしく話を聞かせてもらうと、きっかけはコロナ禍。食べた後のスティックを直接お店に持って行って交換することがどうなのだろうか、という問題があるというのです」

同社では2020年6月に、新型コロナウイルス感染予防および拡散防止のため、購入者と店舗担当者の健康と安全を考慮し、当たりスティックを洗って乾燥させた上でビニール袋等に包み、お店に持っていってほしいと、交換に当たってのお願いを自社サイトに掲出している。

「『びっくりしました。残念に思います。つづけることはできないですか?』とお聞きすると、『社内でつづけたいと思ってる人はたくさんいるが、いろいろ考えて、考えて…ほとんどやめるというところまで話は進んでいる…』とのことでした。企業が一生懸命に悩んで決めたこと、それならば仕方がないか…と思いつつも、どうしても諦めがつかず……ダメもとで今一度、‟つづけるための広告"は作れないかと考えました」

そこで、古川氏をはじめとするスタッフは、悩んで、考えて、逡巡した赤城乳業の姿をそのまま広告すること。さらにガリガリ君ファンに向けて「やめることをやめる」ためのお願いをしてはどうか、と提案。それを受けた赤城乳業は再度社内で議論を沢山交わした結果、お客様と真摯に向き合おうと決め、「あそびましょ。」という企業スローガンのもと、「当たりつきをやめる」のを立ち止まり、企業からの想いを伝えることになった。

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