社内報の運用は希望制!「社員の思い」伝え目指すべき「人物像」の“腹落ち”目指す

「人的資本経営」の一環として、社員の「自律的」な成長を促す風土づくりに関心が集まる昨今。パーパスへの理解や目指す人物像を伝えていくことも重要となる。『広報会議』2023年7月号では、その実現に有効な社内コミュニケーション施策について、多数の事例を紹介している。本記事ではロート製薬に、社員の「自律性」の向上を図るべく、ウェブ社内報を活用した施策を聞きました。

※本記事は、『広報会議』7月号(6月1日発売予定)の転載記事です。

ロート製薬は、パーパス(存在意義)を実現するため、「“個”を尊重した会社と社員の共成長により、Well-beingな社会の実現」を目指し人財育成に注力している。

パーパスは、「世界の人々に商品やサービスを通じて健康をお届けすることによって、取り巻くすべての個人や社会の『Well-being』に貢献していくこと」。

この実現には、社会が求めるWell-beingを軸に新しい価値を創造し続ける人財の育成も欠かせない。

そこで多様な「個」が主体的に活躍することを目指すべく、企業と社員のパーパスのマッチングを図る社内コミュニケーションを実施している。

求める人財像の明文化

人財育成を強化する背景について「当社には、『社員の成長なくして会社の成長はない』との考えが企業のDNAとして根付いています」と語るのは、広報・CSV推進部 阿子島文子氏。

創業時から価値行動規範として掲げている「7つの宣誓」の一文には「まず人がいて、輝いてこそ企業が生きる。主役は人、一人ひとりが自らの意思と力で自立し、組織を動かして行きます」との記載がある。

こうした中、組織の拡大や不確実性の高い事業環境への変化に対応するため、2019年に発表した「ロートグループ総合経営ビジョン2030」では「人財育成」への考え方を改めて明文化。

さらに2022年には、「人事制度」を20年ぶりに改訂した。

新「人事制度」は個々が自分のパーパスやキャリアを自律的に担いながら、全社員で共通のゴールへ向かう「全員戦力化」*に向けたWell-being経営を目指す内容で、ドライバーとなる4つの施策を進めている(

)。

*『全員戦力化 戦略人材不足と組織力開発』(日本経済新聞出版)守島 基博/著

新「人事制度」で策定した4つの指標
新「人事制度」で掲げた4つの指標。社内コミュニケーションでは、まずは一人ひとりの働く意識である「プロの仕事人」の理解に重きをおいた施策を展開している。
出所:ロート製薬

これらの施策において、目指すべき指標のひとつが「『プロの仕事人』になること」だ。

「プロの仕事人」とは、「同社のパーパスを指針に、事業活動に主体的に参画・挑戦し、継続して学び続けて社会に価値を創出できる人財」を指す。

次のページ
1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ