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コラム

デジタルマーケター、校長になる!

花王、電通から茨城県の学校へ移籍 民間出身者のスキルは教育現場で生かせる?

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経団連SDGs本部と茨城県教育委員会のミーティングに参加

花王から茨城県の下妻一高に移籍して約半年、学外の県内の教育関係者とコミュニケーションをとる機会も増えてきました。先日は茨城県庁にて、経団連副会長による、茨城県教育委員会の訪問の場に同席させてもらいました。

経団連SDGS本部の考えとして、民間企業等で勤務した経験のある人材が、教育現場に入り、教職員や児童生徒と交流することが有用だと考えているそうです。その点で、茨城県は民間人登用や中高一貫校の校長を公募するなど、新しい教育の実現に向けた取り組みを進めており、校長公募の背景や取り組み状況や課題を理解し、今後の教育・大学改革推進委員会の活動の参考にしたいとのことで訪問されました。

私と一緒に参加をしていた学校関係者のひとりに、私と同じ民間企業から採用された、電通の福田さん(水海道一高校長)がいます。教育界と産業界はどうしても分断される傾向が強いため、連携が取りにくい環境にありました。今回のような機会をバネに、改善していいきたいと思いを新たにしました。

約1時間、経団連のSDGs本部の皆さん、アサヒグループホールディングスの皆さんと懇談をさせていただきました。日本の産業界をまとめる、経団連とこのような連携を取れるとは、非常に心強い限りです。今回の記事では、当日お話させていただいたことを一部、共有させてもらいます。


集合写真 経団連の副会長を務めるアサヒグループホールディングスの小路明善会長(写真右)と懇親
経団連の副会長を務めるアサヒグループホールディングスの小路明善会長(写真右)と懇親。

茨城県で進む、民間主導の人財育成プロジェクト

1.校長公募に公募した理由・背景について。

私たちが質問されたのが、なぜ民間企業から社長公募に応募したのか?ということでした。その問いに対して、言われたことを着実に行うだけの仕事では、企業の成長に結びつかないと感じていました。

そして、このままだと、日本のメーカーが衰退してしまう危機感を持っていた時に、公募の存在を知り応募しました。民間校長に求めることとして、今までの枠組みにとらわれず、アントレプレナーシップ教育をできる人材と書かれていました。私も昨年、社会人大学院でアントレプレナーシップゼミを専攻していましたので、大学で学んだことを実践してみたいという気持ちがあり、応募しました(なんだか、最初は面接みたいになってしまっていたので、この回答のあたりからは和やかな雰囲気で進行されました)。

ちなみに、私はこれからのリーダーたちが社会で生き抜くためには下記の能力が必要だと考えています。

  • ・常識や前提にとらわれず、ゼロからイチを生み出す能力
  • ・グローバルな視点で社会課題を見つけて解決する能力
  • ・多様性を受け入れて他者と協働する能力
  • ・逆境に負けず、失敗を恐れず諦めない姿勢
  • ⇒新たな価値を創造する起業家的リーダーシップを持った人財を育成したいと思っています。

2. 副校長に就任した後に、教育現場で重点的に取り組んでいることは何か?

今後取り組む予定のものとは。

【短期的な視点の活動】

〇早く的確に正解を求める教育システムはできているので、詰め込み教育からの切り離しを意識して、社会とはどういうものか体験し、そこに何があり、どう動いているのか、そして自分は何を好んで、何が得意なのかを発見してもらおうと考えています。

具体的には、私の人的ネットワークを活用して、企業と学校を結びつけています(ハブになっている)。楽天さん・TBSラジオさんなどを訪問させていただき、生徒の進路選択の幅を広げる活動をしています。

〇マーケティングゼミ活動や、時事問題をMBAフレームワークで解説したりと、自分ならではのキャリア教育にも取り組んでいます。

【中長期な視点の活動】

〇高校生対象のビジネスコンテストを盛り上げて行いきたいと考えています。これからの人生プランをつくるきっかけになったり、探求活動のアウトプットの場として価値提供をしていきたいと思っています。

早稲田大学ビジネススクールに在籍していた当時の先生からの紹介で、地元のアントレプレナーシッププログラムの運営や成果発表会のイベント運営を行っている、常陸フロッグ

スの菅原代表を紹介いただき、私もイベントプロデューサーとして関わらせていただくことになりました。常陸フロッグスは民間主導の人財育成プロジェクトです。

私は、このイベントに下妻一高が出場常連校になるようにしていきたいと考えています。

まさに、学校・大学・企業・社会人を結びつけたコンソーシアム構想です。

花王退職から、学校現場に飛び込んだ勇気に経団連副会長も共感していただき、非常に嬉しく思っていますし、勇気をいただきました。経済界としても応援いただけるとの言葉もいただきましたので、全力で新たな教育分野を築いていきたいと思いを強く持ちました。

このような出会いがあったことを、とても嬉しく思います。

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