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コラム

わかさ生活中の人の“愛され”企業SNSの極意

馬の被り物をかぶった理由とは?人気SNSに重要なキーワードの発見

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【前回はこちら】入社3カ月でX担当に 運営に悩む日々から脱した転機とは?

写真 人物 個人 わかさ生活広報部(@WAKASASEIKATSU)中の人

運営開始3カ月で初のメディア取材に対応

こんにちは。わかさ生活広報部(@WAKASASEIKATSU)です。

これまで、就職活動の頃や入社当時のことをコラムに掲載してきましたが、今回はX(旧Twitter)のアカウントが注目していただけるようになったきっかけや、これまでの道のりについてお話できればと思います。

新卒社員として入社後、Xの運営を担当し、最初に注力して取り組んだのは、ユーザーとのコミュニケーションでした。理由としては、従来の広報発信のように企業からの一方的な情報発信ではなく、双方向のコミュニケーションが取れることがXの最大の特徴であること。これを活かさない手はないと考えたからです。

また、前回もお話しましたが、入社当時は、投稿の意図や運営の目指す方向を、社内で理解してもらうことが難しく、確認が特に必要とされていなかった返信コメントや「いいね」を付けて回ることに力を注いで活動していました。

注目してもらえるようになった大きな転機は、運営開始後3カ月。ウェブメディアに取材いただいたことでした。

この取材は、私のやる気を引き出してくれるだけではなく、周りからアカウントに対する評価の材料となるには十分なものでした。

「人は人にしか共感しない」という気づき

今やわかさ生活のXの投稿に数多く登場する馬の被り物。実は被り始めの時期としては、先ほど紹介した取材の直後でした。

ちょうどこの時期は、「発信ネタ不足」という大きな悩みを抱えていた時期でもありました。

写真 X投稿 わかさ生活広報部(@WAKASASEIKATSU)中の人
写真 X投稿 わかさ生活広報部(@WAKASASEIKATSU)中の人
Xの運営担当者就任から間もないころの投稿事例。

当時の投稿の大半は、わかさ生活の公式キャラクター「ブルブルくん」のぬいぐるみを使って行っていたのですが、ぬいぐるみだと動きに制限があり、どうしても発信の内容が狭まってしまっていました。また、当時は1日10投稿を目指して運営していたことから、思いついた投稿もすぐに発信し、常にその日しのぎの運営体制になっていました。

「せっかく取材もしていただいて、これからなのに…」。こんな不安が、常に心でモヤモヤと引っかかっていた気がします。もともと、「広報のひとつの手法としてTwitterを担当したい」と自ら志願したものですし、Xを通じて会社に貢献したいという想いも強く持っていました。

アカウントの未来にモヤっとした不安を抱えながら、懸命に運営に関する情報収集をしました。様々な書籍やウェブから情報を集めるなかで、見つけたヒント。それは、「共感」というキーワードでした。SNSはなにより「共感」がポイントで、投稿に共感するから反応するし、人にシェア(拡散)もしたくなる。このヒントは、私がなんとなくの感覚で掴んでいたものを言語化してくれるものでしたし、なにより、アカウントに対して向き合い考える時間をくれるものでした。

そして、アカウントについて考え、出た答え。それは、「人は人にしか共感しない」というものでした。

当時、新入社員がSNSの運用を任されるケースは極めて珍しく、中の人の姿を思い切って出してしまうことは、他にはない武器になると考えました。1年目は、学生から見ると最も身近な存在で、すべての社会人が通るもの。そして、その世代より上の年代の方々からすると、ご自身の子どもと照らし合わせるような存在になるのではないかと考えたからです。

ただ、問題は「どのように自分の姿をさらけ出すか」でした。

当時からXの中では、企業の運用担当者が姿を出す際には、企業ロゴのお面で顔を隠して登場する事例が多く見られていました。

また、匿名性の高いXでは、誹謗中傷を受ける可能性もあります。私は、見た人全員から肯定的な感想をもらえるとは思っておらず、様々な人が生活するなかで、異なる意見を持つのは当たり前のことだと考えていました。

ですが、その批判の声に新卒である自分が耐えられる自信がありませんでした。悩みながらたどり着いたのが、被り物をかぶるという手段でした。

ブルーベリーの被り物などを用意するべきかと思いましたが、あまりに普通すぎると意味がない。初めて見た人にインパクトを残したいという気持ちから何気なく、「動物 被り物」と検索し、そこで一番インパクトと親和性を感じた馬の被り物を選びました。投稿を流し見されてしまうのではなく、見た時に「?」というインパクトを残したい。そんな意図が強くありました。

写真 X投稿 わかさ生活広報部(@WAKASASEIKATSU)中の人
写真 X投稿 わかさ生活広報部(@WAKASASEIKATSU)中の人
他社の公式アン馬サダーとしても活躍を広げている。

ブルブルくんを見てファンになってくださる方もいる一方、馬を見てアカウントに興味を持ってくださる方もいらっしゃいます。これは、実際に運営してみて分かったのですが、ブルブルくんのファンの方は、すべての投稿に反応があるわけではなく、ブルブルくん関連の投稿のみに反応くださる方が多いです。しかし、馬を見てファンになってくださった方は「馬=アカウントの投稿者」であるため、投稿者が関わるすべての投稿に興味を持ってくださりやすいという発見もありました。

これまでわかさ生活は、ブルーベリーを見て想起していただくということが多い企業でした。ですが、例えば、動物園や競馬の馬を見てわかさ生活を思い出してもらえることができれば、想起の入り口が増やすことができていることになります。これは、スマホが普及し情報過多の現世においてとても価値のあることです。その想起が、企業の本業に直結するかなど考える暇がないほど、この世は情報にあふれており、思い出してもらうことがとても困難です。だからこそ、親しみのある企業になってから本業のことを知ってもらえればOK、というスタンスで日々取り組んでいます。

これからもXを通じ、わかさ生活を好きになったり思い出したりするきっかけをほんの少しでも多く作っていけたらと思います。

いかがでしたでしょうか。今回は、このアカウントに対する見方が変わったきっかけや日頃多く登場する馬を被りはじめたきっかけを紹介しました。次回の更新も楽しみにしていていただければ嬉しいです。

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わかさ生活 広報部 X(旧Twitter)中の人

2020年にわかさ生活に入社。入社からわずか3カ月で公式Twitterの担当を任される。その運用方法は企業のTwitter運用事例として取材を受けるまでに成長。2021年には、ねとらぼ「企業ツイッターの中の人」人気ランキングで1位を受賞。好きな食べ物は、海老・タコ・貝・カニ・塩タン。美容室専売品のヘアケア商品が好き。好きな野球選手は川崎宗則。