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クッキーレス時代、アドレサビリティをどう活用する?迷えるマーケターに指南

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グーグルのブラウザー「Chrome」でのサードパ―ティ・クッキー廃止が間近に迫る中、「アドレサブル広告」が注目されている。業界の先陣を切るCriteo(クリテオ)の最高テクノロジー責任者であるDiarmuid Gill氏が、アドレサビリティの重要性やAIが今後どのように役立つのかを解説する。

写真 人物 個人 CRITEO株式会社 最高テクノロジー責任者(CTO)Diarmuid Gill 氏
CRITEO株式会社 最高テクノロジー責任者(CTO)Diarmuid Gill 氏

業界全体を取り巻く課題

Criteoの定義によると、”アドレサブル”とは「(ネット広告の)エンゲージメントから計測、そして最適化ができる状態」。原義としては「指定可能な」と言える。しかしそれは、広告主側の観点だ。Gill氏は、「アドレサブル、アドレサビリティを考える上で、最も重要なのは消費者」と話す。

「なぜなら、すでに消費者の誰もがインターネットユーザーだから。そして消費者が求めているのは、選択肢だ」(Gill氏)

どんな商品を見たいのか、買いたいのか。自身のデータをどのように扱われることを望むか。

「消費者に関わるのは広告主や広告会社だけではない。素晴らしい買い物体験を提供する小売業、さまざまなコンテンツをWebに掲載するパブリッシャーの存在がある。『アドレサビリティ』にまつわる課題は、業界全体のエコスシステムに影響を及ぼす」(Gill氏)

実データ グラフィック Criteo サードパーティ・クッキーを取り巻く状況の移り変わり

ネット広告をアドレサブルにしてきたものの代表格は、サードパーティ・クッキーだった。しかし、ここ数年間で、次第に制限が強まりはじめ、ことし2024年はいよいよグーグルも、同社のブラウザー「Chrome」で、段階的にサードパーティ・クッキーを廃止していく。これにより、Gill氏は、「さらに大きな変化が訪れるだろう」と話す。

「ネットユーザーの90%に対するリーチが困難になる。この事態に備えなければならない」(Gill氏)

しかし、Criteoによる、日本のマーケター500人に対する調査では、実に3人に2人(66%)が「サードパーティ・クッキー廃止後の対応に苦慮している」と答えた。

実データ グラフィック Criteo サードパーティ・クッキーにかかわる課題とそのソリューション

「多くのWebサイトオーナーは、自社が収集する顧客データ、すなわちファーストパーティ・データとのマッチングが重要と考えている。しかし、世の中には、代替IDによるソリューションや、プライバシーサンドボックスなど、数多くのソリューションがあり、どれを選び、何をすればいいのかわからないという事態に陥っているのではないか。どれか一つに決められないということは、各ソリューションの解決範囲が限定的であるということも示唆する」(Gill氏)

プラットフォームを一つに

Criteoが目指すのは、ソリューションが乱立する状況を収め、「”ワンストップショップ”、つまり、ひとつのプラットフォームにまとめ、複雑さを減らすこと」(Gill氏)。

「デジタル広告を用いたキャンペーンを成功させるには、二つの要素がある。一つめは正確性、二つめはスケール、規模だ。これらを果たす上で、さまざまなソリューションがあるが、最も重要なのは、クライアントにとって何が最適なものかを特定することだ。さまざまなソリューションを、ひとつのプラットフォームで提供できるように取り組んでいる」(Gill氏)

実データ グラフィック Criteoの多角的なアドレサビリティ戦略

アドレサブル広告において、Criteoが重視しているのは、次の3つだ。まずは、まさにターゲットのアドレサブルな状態を保つこと。そのために欠かせないのが、「ハッシュ化(仮名加工)したEメールアドレス」という。個人の特定を防ぎながら、オンライン広告をクリックしたユーザーをトラッキングし、計測や最適化が可能となる。スマートフォンやパソコンなど、種々のデバイスを横断し、包括的にユーザーを追跡できる点もメリットだ。また、ユーザーとハッシュ化メールアドレスは基本的には1対1の関係となる。メールアドレスによるログインをしていない状態でも、Prebid Addressability Framework(PAF)と呼ばれるソリューションがあり、Criteoでは「OneKey」というPAFを提唱している。

「広告主や広告会社は、どうすればユーザーがWebサイトを訪れ、ログインし、そのサイトを活用するか。その合意をいかにして得るか。そこを考えてみてほしい」(Gill氏)

実データ グラフィック Criteo ハッシュEメールのメリット

ふたつめはプライバシーサンドボックスだ。グーグルが「Chrome」ブラウザーのユーザーのプライバシー保護を強化する取り組みだが、Criteoも週次ベースで議論やテストに参画しているという。プライバシーサンドボックスでの取り組みは、ユーザーを特定の属性や条件などでグループ化し、分析することにつながる。コホート(ユーザー群)単位で精度の高いターゲティングを行うと同時に、Protected Audience APIを活用した1対1のターゲティングの実現を目指すなど、Chromeブラウザ上でのアドレサビリティ実現のために重要な取り組みだという。

「プライバシーサンドボックスについては、ぜひ皆さん自身でも知識を身に着け、同僚の方々にも働きかけて、今後を注視いただきたい。最新情報やテストへの参加機会については、Criteoにお問い合わせを」(Gill氏)

そして、昨今、成長が著しい高度AIの活用だ。「AIエキスパートと連携してデータを有効利用し、インマーケットなオーディエンスを特定できるように」として、講演を締めくくった。

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