米調査会社センサータワーは4月24日、位置情報ゲーム『ドラゴンクエストウォーク』(スクエア・エニックス)の累計収益が20億ドル(約3100億円)に迫っているとの推計を発表した。同作の配信開始日は2019年9月。同じく位置情報を活用したスマートフォンゲーム『モンスターハンターNow』との広告戦略の違いも伺えるという。
広告露出シェアや使用時間でほかの位置情報ゲームと差
『ドラゴンクエストウォーク』は、ゲームのロングセラーシリーズ『ドラゴンクエスト』のIP(知的財産)を生かし、位置情報と連動したスマートフォンゲーム。『ドラゴンクエスト』の敵キャラクターなどを現実の位置情報などを踏まえ、登場させる。プレイヤーは主人公となり、現実世界を実際に移動しながら、ゲーム内の冒険を進める。
センサータワーのデータでは、配信を始めた2019年9月から2024年3月までの、スクウェア・エニックスの日本におけるモバイルゲーム別の収益構成比では、『ドラゴンクエストウォーク』が40%近くを占め、トップ。同期間の日本の位置情報ゲームのダウンロード数ランキングでは、1位の『Pokémon GO』(ナイアンテック)に次いで、2位という。
プレイヤー男女比は男性が60%、女性が40%。年齢別では35〜44歳が最多で35%となっている。次に多いのは45〜54歳で23%。一世を風靡した『ドラゴンクエストⅢ』発売が1988年のため、ちょうど同時期に小〜中学生だった人や、その後のシリーズにふれてきた人が、プレーヤーの中心であることが伺える。
広告キャンペーン事例では、日本コカ・コーラが2023年11月14日〜24年2月4日、公式スマートフォンアプリ「Coke ON」との共同企画を実施。22年に続く第二弾で、コカ・コーラ社製品とコラボレーションしたモンスターが双方のアプリに登場したほか、自販機での購入や「CokeON」内の歩数計測サービスと連動して、モンスターが登場する限定スタンプがもらえるといった仕掛けを施した。
『ドラゴンクエストウォーク』側では、マップ上にコカ・コーラ社の自販機を表示。自販機を巡ったプレイヤーを対象に、飲料と交換できるチケットを抽選でプレゼントした。
「Coke ON」は対応自販機で購入するたびにスタンプが付き、15個貯めると1本分無料となるチケットと交換できるアプリ。自販機が起点となるため、位置情報ゲームとは相性がよい。実店舗でも、ローソンが2020年〜21年に、コンビニエンスストア「ローソン」店舗を『ドラゴンクエストウォーク』内に登場させるなど、連動企画を実施している。
1週間あたりの平均プレイ時間では、『『Pokémon GO』が192分、『Pikmin Bloom』(ナイアンテック)が154分。これに対し、『ドラゴンクエストウォーク』は545分と大きな差を付けた。全体平均に比べて、『Yahoo!マップ』(Yahoo! Japan)を活用する傾向があるという。
ゲームによって、広告をよく見るプラットフォームにも違いが出た。『ドラゴンクエストウォーク』のプレーヤーは、全体平均よりも「YouTube」で広告を見ているようだ。2023年10〜12月の日本の位置情報ゲームの広告露出量シェアで、同作がトップだった。他方、「X(旧=Twitter)」や、「Instagram」では、どちらも『モンスターハウンターNow」がトップだった。


